パナソニックは3月17日、グループが100%出資する連結子会社で、欧州で民生用電池事業を展開する「パナソニック エナジーベルギー(以下、PECBE)」、「パナソニック エナジーヨーロッパ(以下、PECE)」および「パナソニック エナジーポーランド(以下、PECPL)」3社の全株式を譲渡する契約を、ドイツに本社を置く投資会社「オーレリウスグループ(以下、AURELIUS社)」と締結したと発表した。
譲渡日は、各国・地域の競争当局その他政府機関の承認取得を前提に、6月1日を予定。但し、承認取得およびその他許認可等に関する手続きにかかる期間によっては、変更になる可能性がある。
パナソニックは、欧州における乾電池をはじめとした民生用電池事業の拡大を目指し、1970年にベルギーにPECBEを設立し現地生産を開始。その後1974年に販売会社のPECEを同国に設立した。さらに1993年、一層の生産拡大を図るべく、PECPLをポーランドに設立した。
その結果、パナソニックの民生用電池は、欧州の市場において、自社ブランドに加え、プライベートブランドやOEMを含めた総数で、一定のシェアを占める迄になった。
しかし、欧州を含む先進国で市場の成熟化が進んできたことから、パナソニックは、アジアや中南米等を重点市場と位置づけて強化。これにより、欧州事業への継続的な成長投資が困難となったため、当該3社では、中期的に販売・収益の大きな伸長が見込めない状況となった。
このような中、パナソニックは、当該3社が欧州で蓄積してきた技術力、商品力、モノづくり力を高く評価し、持続的な成長投資が可能で、事業の拡大が期待できるAURELIUS社への株式譲渡を決定した。
なお、パナソニックは、3社の譲渡後も、乾電池をはじめとした民生用電池事業に注力するとしている。また、重点国・重点商品への戦略的投資を継続することで、ポートフォリオ改革を加速させ、成長性と収益性の向上を図るとしている。
[会社概要]
<パナソニック エナジーベルギー>
– 名称:パナソニック エナジーベルギー株式会社
(英文名:Panasonic Energy Belgium N.V.)
– 所在地:Havenlaan 6, B-3980, Tessenderlo, BELGIUM
– 代表者:社長 Marc De Baere
– 事業内容:アルカリ乾電池の製造。
– 設立:1970年9月3日
<パナソニック エナジーヨーロッパ>
– 名称:パナソニック エナジーヨーロッパ株式会社
(英文名:Panasonic Energy Europe N.V.)
– 所在地:Brusselsesteenweg 502, 1731 ZELLIK, BELGIUM
– 代表者:社長 Joerg Toboll
– 事業内容:一次電池、二次電池、電池応用商品の販売。
– 設立:1974年12月6日
<パナソニック エナジーポーランド>
– 名称:パナソニック エナジーポーランド株式会社
(英文名:Panasonic Energy Poland S.A.)
– 所在地:UL Sloneczna 42, 62-200 Gniezno, POLAND
– 代表者:社長 Jaroslaw Janas
– 事業内容:マンガン乾電池、アルカリ乾電池の製造。
– 設立:1993年12月15日
<AURELIUS>
– 名称:AURELIUS Equity Opportunities SE & Co. KGaA
– 所在地:Ludwig-Ganghofer-Straße 6, Grünwald 82031, GERMANY
– 代表者:Matthias Täubl (CEO)
– 事業内容:Industrial Holding / Asset Management.
– 設立:2005年
■AURELIUS Equity Opportunities:https://aureliusinvest.com/equity-opportunities/
■Panasonic Energy Europe:https://www.panasonic-batteries.com/en/about-us