ボルグワーナーは7月18日( 米国時 )、オンセミと炭化ケイ素( SiC )に係る戦略的提携を拡大。それに伴うLTV( Life Time Value/ライフタイム バリュー )が10億ドル超に達するという予測を発表した。
この戦略的提携によりボルグワーナーは、オンセミ製EliteSiC1200V及び750V電源デバイスを自社のVIPER電源モジュールに統合。電気自動車としての基本性能を向上させるトラクションインバーターソリューションを実現させる見込み。
一方でオンセミは、EV市場が伸張するなかで必要とされる品質、信頼性、供給保証に於いて高い水準を維持させつつ、ボルグワーナーの未来に向けた電動車戦略を強力にサポートしていく。
この協力関係についてボルグワーナー社の副社長でありパワードライブ・システムズの社長兼ゼネラルマネージャーも務めるステファン・デマール氏は、「何よりもまず、オンセミがエンドツーエンドのサプライチェーン全体でSiCの製造能力を増強するべく継続的かつ戦略的な投資を行う事で、当社ソリューションの将来の需要増をサポートしていけるという確信が得られました。
また我々の炭化ケイ素トラクション・インバーターは、他のパッケージよりもコンパクトで、より高い効率、優れた冷却性能、より速い充電速度を確保出来ています。
このEliteSiCテクノロジーを使用する事で、ボルグワーナーの電動ソリューションは電力密度の向上と効率の向上による恩恵を受け、EVの航続距離のみならず全体的な総合性能も向上するものと期待しています」と述べた。
一方でオンセミのエグゼクティブバイスプレジデント兼パワーソリューショングループジェネラルマネージャーのサイモン・キートン氏は、「EliteSiC技術をトラクションインバータに統合することで、最終顧客はガロン当たりのガソリン換算マイル数(MPGe)の増加による恩恵を得られ、EV導入の主要な障壁の1つである航続距離の不安を軽減するのに役立ちます。
こうしたチップからシステムレベルを包括するサポート実績により、当社は業界をリードするSiCベースのソリューションをボルグワーナーへ提供し、市場投入にあたって今後、求められるであろう要件にも応えていく事が出来ます」と話している。