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2024年6月20日【事業資源】

オンセミ、チェコで先進パワー半導体向けSiC生産へ

坂上 賢治

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オンセミは6月19日(米国アリゾナ州スコッツデール発)、チェコ共和国に最先端の垂直統合型シリコンカーバイド(SiC)製造施設を設立する計画を発表した。

 

電化、再生可能エネルギー、人工知能は世界的なメガトレンドであり、エネルギーの変換と管理を最適化できる高度なパワー半導体に対して、かつてないほど需要が高まっている。

 

SiC製造施設の設立は、このような需要の高まりに対応するための戦略的なものだという。同施設では、電気自動車、再生可能エネルギー、AIデータセンタに於けるアプリケーションのエネルギー効率の向上に不可欠なインテリジェントパワー半導体の生産を予定している。

 

オンセミは、拠点を設けるにあたって最高20億ドル(440億CZK)の複数年に亘るブラウンフィールド投資により、SiC製造を拡張する計画を立てており、これは同社が既にに公表している長期設備投資目標の一環となる。

 

この投資により、シリコン結晶の成長、シリコンおよびシリコンカーバイドウエハーの製造(研磨とEPIを含む)、シリコンウエハーの生産など、チェコ共和国における現在の事業を発展させる。

 

現在、同施設では、10億個以上のパワーデバイスを含む、年間300万枚以上のウエハー生産が可能で、計画完了時には、年間2億7,000万米ドル(60億CZK)以上が同国のGDPに貢献すると予想される。

 

この新規生産拠点についてオンセミで社長兼CEOを務めるハッサーン・エルコーリー氏(Hassane El-Khoury)は、「当社のブラウンフィールド投資は、アプリケーションのエネルギー効率を向上させる革新的な技術への需要の急増に対応して、中央ヨーロッパでサプライチェーンを構築するためのものです。

 

チェコ政府との緊密な協力関係を通じて推進する拡張は、欧州連合(EU)が二酸化炭素排出量と環境への影響を大幅に削減するという目標達成への熱意の実現に不可欠な、インテリジェントパワー半導体の生産強化にも繫がります」と述べた。

 

またチェコ共和国・産業貿易大臣のヨゼフ・スィーケラ氏(Jozef Síkela)は、「オンセミがチェコでの事業拡張を決定したことは、我が国が外国からの投資にとって魅力的であることを明確に裏付けるものであり、我が国の経済の発展に大きな勢いをもたらすでしょう。

 

今回の投資は、半導体分野における我が国の地位を強固にするだけでなく、自動車産業の発展にも貢献することができ、我々のエレクトロモビリティの台頭への適応を支援するものです」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。