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オンセミは6月19日(米国アリゾナ州スコッツデール発)、チェコ共和国に最先端の垂直統合型シリコンカーバイド(SiC)製造施設を設立する計画を発表した。
電化、再生可能エネルギー、人工知能は世界的なメガトレンドであり、エネルギーの変換と管理を最適化できる高度なパワー半導体に対して、かつてないほど需要が高まっている。
SiC製造施設の設立は、このような需要の高まりに対応するための戦略的なものだという。同施設では、電気自動車、再生可能エネルギー、AIデータセンタに於けるアプリケーションのエネルギー効率の向上に不可欠なインテリジェントパワー半導体の生産を予定している。
オンセミは、拠点を設けるにあたって最高20億ドル(440億CZK)の複数年に亘るブラウンフィールド投資により、SiC製造を拡張する計画を立てており、これは同社が既にに公表している長期設備投資目標の一環となる。
この投資により、シリコン結晶の成長、シリコンおよびシリコンカーバイドウエハーの製造(研磨とEPIを含む)、シリコンウエハーの生産など、チェコ共和国における現在の事業を発展させる。
現在、同施設では、10億個以上のパワーデバイスを含む、年間300万枚以上のウエハー生産が可能で、計画完了時には、年間2億7,000万米ドル(60億CZK)以上が同国のGDPに貢献すると予想される。
この新規生産拠点についてオンセミで社長兼CEOを務めるハッサーン・エルコーリー氏(Hassane El-Khoury)は、「当社のブラウンフィールド投資は、アプリケーションのエネルギー効率を向上させる革新的な技術への需要の急増に対応して、中央ヨーロッパでサプライチェーンを構築するためのものです。
チェコ政府との緊密な協力関係を通じて推進する拡張は、欧州連合(EU)が二酸化炭素排出量と環境への影響を大幅に削減するという目標達成への熱意の実現に不可欠な、インテリジェントパワー半導体の生産強化にも繫がります」と述べた。
またチェコ共和国・産業貿易大臣のヨゼフ・スィーケラ氏(Jozef Síkela)は、「オンセミがチェコでの事業拡張を決定したことは、我が国が外国からの投資にとって魅力的であることを明確に裏付けるものであり、我が国の経済の発展に大きな勢いをもたらすでしょう。
今回の投資は、半導体分野における我が国の地位を強固にするだけでなく、自動車産業の発展にも貢献することができ、我々のエレクトロモビリティの台頭への適応を支援するものです」と語っている。