沖縄県南城市(市長:古謝景春)、西日本電信電話(NTT西日本)、NTTビジネスソリューションズは10月4日 、「南城市における自動運転社会実装推進事業コンソーシアム協定」を締結し、国交省の令和6年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」に応募し採択された。
3者は同コンソーシアム協定に基づきマクニカと共に、南城市に於ける「地域住民向けの持続的な交通手段の維持」等の地域課題の解決に向け、2024年10月12日から10月18日まで、「南城市における自動運転の実証・実装に向けた調査事業」を実施する。
1.背景・目的
全国で地域交通の維持やドライバー不足等に関する社会課題が深刻化しており、国に於いては自動運転が走行する環境を、2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以に掲げ、取り組みが進められている。
そうしたなかで人口約4万6千人(2024年3月末時点)を配する南城市は、主要観光地入域者数は約42万人(2024年3月末時点)を視野に、久高島や世界文化遺産に登録されている斎場御嶽といった国内有数の観光資源の活用で課題を抱えている。
そこで4者は新しいモビリティの活用と同時に、AIカメラ・センサー等を活用したリアルタイムに交通情報を取得・活用する「リアルタイム交通マネジメントシステム(everfleet)」を導入することで、南城市に点在する観光地間を繋ぎ、回遊性の向上を図ると共に、地域住民および観光客の移動ニーズを満たす次世代の公共交通機関網の実現を目指す。
2.調査事業の概要
当該事業では、自動運転レベル4による通年運行の早期実現に向けて、自動運転の安全性を確認・検証するため、以下3点を調査事業として実施する。
(2-1)実証走行ルート(公道)上での自動運転モビリティの走行実証、実証走行ルート上の危険箇所の確認および対策として、リスクアナリシスの実施
(2-2)周囲の物体との位置関係を正確に判断するため、高精度センサーでのデータの取得および高精度3Dマップの作成
(2−3)道路交通法や地域住民の要望を踏まえたルート情報の作成
- 実証期間
2024年10月12日(土)から2024年10月18日(金)まで
- 実施場所
沖縄県南城市(知念体育館前駐車場~がんじゅう駅~斎場御嶽駐車場間を走行)
- 使用車両および自動運転技術(図2)
新型EVバス車両NAVYA EVO
- レベル2自動運転システム対応
- 乗車定員12人(実証実験時の乗車人数 10人)
- 速度19km/h
- EV(最大走行9時間、走行距離100㎞)
3.各者の役割
(3-1)南城市
事業全体の運営、関係者との調整、地域住民や観光客へのヒアリング調査 等
(3-2)NTT西日本
調査事業統括・プロジェクトマネジメント 等
(3-3)NTTビジネスソリューションズ※1
自動運転導入エンジニアリング、自動運転の走行ルート調査 等
(3-4)マクニカ
自動運転導入エンジニアリング(車両)およびサポート、
走行ルートにおけるリスクアセスメント 等
※NTTビジネスソリューションズの「自動運転EVバスソリューション」のサービス詳細:https://www.nttbizsol.jp/service/ev_autonomous_bus/
4.今後の展開
4者は、2028年度に自動運転サービス(レベル4)を社会実装できるよう実証調査を積み重ね、自動運転サービスの提供に必要な諸課題(運行体制の構築等)の解決に取り組む。
こうした取り組みを通じて、南城市に点在する観光地間を繋ぐ次世代の公共交通機関網を整備し、南城市の回遊性を高めると共に、地域住民および観光客のが安心して利用できる高品質で安全性の高い自動運転サービスの実現を目指す。