日産自動車は11月30日、産業革新投資機構傘下の官民ファンドINCJが保有するビークルエナジージャパンの全普通株式の取得、及びビークルエナジージャパンが新たに発行する普通株式の引き受けを完了したと発表。これによりビークルエナジージャパンは、日産自動車の連結子会社入りとなった。
そんな同社の沿革は、1996年に日立グループの1社であった日立マクセル( 現在のマクセル )が、民生機器用リチウムイオン電池の生産を始めた事が皮切りだ。
そのビークルエナジージャパン自体の社歴は、2004年に日産ティーノHV用のリチウムイオン電池を実用化( 2000年 )した新神戸電機( 日立グループ )の実績を背景に、新神戸電機43.7%・日立製作所36.7%・日立マクセル19.6%の出資比率により車載二次電池の開発・製造を行う新会社として日立ビークルエナジーが設立された。
この日立ビークルエナジーによる車載蓄電池の開発・製造の実績は、2005年にいすゞ自動車のエルフハイブリッド向けにリチウムイオン電池の供給を開始。翌2006年には三菱ふそうトラック・バスのキャンターエコハイブリッド向けリチウムイオン電池を供給。2007年にはJR東日本の小海線用車両キハE200形気動車向けのリチウムイオン電池の供給も行っている。
日立ビークルエナジーからビークルエナジージャパンになったのは2019年3月。この結果、INCJが47%、マクセルが47%、日立オートモティブシステムズが6%の株式を保有する共同出資会社となっていた。日産はこのなかでINCJ保有の47%の全株式を取得した。
記事冒頭の新株発行分の引き受けを加えてビークルエナジージャパンを子会社化した日産は「既存株主であるマクセル及び日立Astemoは、引き続きビークルエナジージャパンの株式を保有し、日産と共にビークルエナジージャパンの事業運営を支援致します」と結んでいる。