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2023年1月30日【企業・経営】

日産・ルノー、出資比率の見直しで近く最終合意へ

坂上 賢治

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ルノー・日産・三菱自動車アライアンス・ロゴ

 

日産自動車と仏ルノーのアライアンスは1月30日、両社が予てより進めていた資本関係の見直しで同交渉が最終合意の段階にあるとの声明を発表した。

 

それによると両社は、ルノーの日産への出資比率を約43%から引き下げて、双方共に15%ずつに揃えるべく協議を重ねているという。

 

また併せてルノーが新設予定のEV専業会社に日産が出資する事も検討する。これらは合意後、各々の取締役会で正式決定する必要があり、双方による承認後速やかにその内容を公表する予定だ。

 

両社は昨年10月を皮切りに、アライアンスの新たなパートナーシップの形を定めるべく、これまで数か月間に亘り建設的な協議を重ねてきた。その新たなアライアンスの形は以下連次の3領域で構成されている。

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■高い価値を生むプロジェクトによる、パートナーシップの再構築

  • ▷ラテンアメリカ、インドおよび欧州に於いて、市場、自動車、技術のつの視点で展開される主要プロジェクトの推進。

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■パートナーが参加可能な新しい取り組みによる、戦略的な機敏性の向上

  • ▷ルノーグループが設立するEV及びソフトウエアに特化したアンペア社の戦略的な株主になるべく、日産による同社への出資。

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■バランスのとれたガバナンスと株式の相互保有による、事業効率の向上

  • ▷日産とルノーグループは、ロックアップおよびスタンドスティル義務を伴う15%の株式を相互に保有。両社とも、同保有株に付随する議決権を15%まで自由に行使可能。

 

  • ▷ルノーグループは、日産の株式28.4%をフランスの信託会社に信託。ほとんどの議案に関する議決権は 「中立化」 されるが、株式が売却されるまでの間、ルノーが保有する経済的な権利(配当金と売却代金)は維持。

 

  • ▷ルノーグループは、同社にとって商慣習上合理的な場合、協調的で秩序あるプロセスにて信託会社に信託した日産株式の売却を指示するが、特定の期間内に売却する義務は負わない。

 

  • ▷アライアンス オペレーティング ボード(AOB)は、各社の調整の場として存続。

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ちなみにルノー側は、昨年中の協議合意を求めていたが、日産が保有する特許等の知的財産の取扱いで折り合いがつかず交渉は暗礁に乗り上げていた。しかしルノー側からの新たな提案を受け、今年に入って進展を見せつつあった。

 

いずれにしても最終合意に向けた協議は引き続き行われている事から、最終発表に至る迄、更なる猶予が必要としており、先の通り日産側としては社内承認を得た後、速やかに詳細を公表する予定だと話している。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。