日本電産は8月30日、ノルウェーの半固体リチウムイオン電池メーカーの「FREYR BATTERY SA (FREYR)」と合弁契約を締結した。( 坂上 賢治 )
このFREYRは2018年創業のリチウムイオン電池メーカー(2021年に米ニューヨーク証券取引所に上場)。半固体リチウムイオン電池の製造技術を有しており、更にこれらの製品をノルウェーならではの水力発電のみを使用して(当地の大手再生エネルギー企業のStatkraftから供給を受ける)製造出来ると言う地政学的な優位性を持っている。
そんなFREYRは、現在建設中の第1量産工場で2024年から年間29GWhの半固体リチウムイオン電池の量産を予定しており、2030年迄には年間累計200GWh以上の電池を生産する計画を敷いている。
一方、今提携によって日本電産は、一定の競争力を持つとみられる半固体リチウムイオン電池を、安定的に供給する事が可能となるため、自社のBESSソリューション事業(バッテリーエネルギー貯蔵システム)を介してCO2排出量の大幅削減が可能なソリューション提供を行っていく構え。
ちなみに日本電産は、BESS事業に於いて欧州・南米・アフリカなど21の国と地域で事業を展開中。現時点で121件の案件を手掛け、通算1.3GWの電力貯蔵システムを提供している。例えば直近では、2022年3月に英国スコットランドで129.8MWの電力貯蔵システムを受注。今後もEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)・北米・中国を中心に更なる拡大を視野に据えている。
なお日本電産としては並行して、主要なリチウムイオン電池サプライヤーとのパートナーシップ強化にも取り組み、自社並びに顧客企業にとって必要なバッテリー量の確保を目指していくとしている。
設立する合弁会社の概要
– 会社名:今後決定予定
– 本社:オスロ市、ノルウェー
– 設立年月日:2022 年 10 月~12 月(予定)
– 事業概要:バッテリー製品の開発・製造・販売
– 代表者:(CEO) Dominique Llonch(予定)
– 株主構成:日本電産 66.7%, FREYR 33.3%
合弁先のFREYR社概要 ( http://www.freyrbattery.com )
– 会社名:FREYR BATTERY SA,
– 本社:ルクセンブルク
– 設立:2018 年
– 上場:ニューヨーク証券取引所 (2021 年, FREY)
– 代表者:(CEO) Tom Einar Jensen
– 製造拠点:モー・イ・ラーナ市(建設中、2024 年稼働予定)
– 事業内容:リチウムイオン電池セル製造・販売