ニチコンは12月19日、NECST事業(※1)の中核拠点であるニチコン亀岡の新生産棟「ES1(Energy Solution Factory1)」が完成し、13日に竣工式を催したと発表した。これを以て、V2H(Vehicle to Home)システムや、急速充電器、家庭用蓄電システムの供給能力を高め、市場ニーズに対応可能な体制を構築する。
ニチコン亀岡では、正特性サーミスタや機能モジュールといった電子デバイス・モジュールから電気自動車(EV・PHV)と家庭との間で電力のやり取りが出来るV2H(Vehicle to Home)システムやEV・PHVに短時間で充電可能な急速充電器、さらに家庭用蓄電システム、公共産業用蓄電システムなど、環境負荷低減に貢献する各種製品の開発設計から製造までを担当している。
また、環境負荷の低減に貢献するNECST事業の製品・サービスの開発・実証を強化するため、電力の家産家消を体現するモデルハウス「ニチコン明るい未来館」を併設。顧客に商品の特長を体感してもらい、拡販につなげていく場として活用。地域住民に対しては、EV用急速充電器やV2Hシステムを無料開放しているほか、自社製のDCリンクシステム(※2)を社屋に設置し、市の臨時避難所として活用できるようにしていると云う。
そんなNECST事業の中核拠点である同社では、昨今の環境負荷低減製品へのニーズの高まり受けて、兼ねてより新生産棟「ES1」の建設を進めてきたが、この度これが完成。市場ニーズに対応可能な体制を構築し、V2Hシステムや急速充電器、家庭用蓄電システムを増産していく。
またこれに伴い、カーボンニュートラルへ向けた取り組みとして、既存生産棟に加えて、新生産棟の屋根に太陽光パネルの設置を予定。生産活動に於ける温室効果ガスの削減に努めるとしている。
<新生産棟の概要>
– 棟名:ES1(Energy Solution Factory1)
– 建築面積:1,650.70㎡
– 延床面積:2,669.00㎡
– 構造:鉄骨造
– 階数:2階
– 生産品目:
・1階:EV用急速充電器。
・2階:V2Hシステム「EVパワー・ステーション」、家庭用蓄電システム。
ニチコングループは、中期成長目標「Vision 2025」の達成を通して持続可能な成長の実現を目指すと共に、今後もエネルギーソリューション製品により、世界のカーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していくとしている。
※1)NECST:Nichicon Energy Control System Technology。新エネルギー社会を支える様々な機器や技術を提供する事業。
※2:太陽光パネル採用の蓄電システムで、EV 用充放電器(V2X)と直流(DC)でつながる DC リンク型産業用蓄電システムで、太陽光でつくった電力を直流・高効率に EV・PHV に充電できるほか、災害時には EV・PHV から三相・単相の特定負荷への給電が可能で、レジリエンス性の高いシステム。