中国ソフトウェア開発・ITサービス大手の東軟グループ( Neusoft Corporation / 本社:遼寧省瀋陽市、総経理:劉積仁 )は1月24日、先に開催されたオートモーティブワールド2025( 東京ビッグサイト / 東京・江東区 )に於いて日本の地図大手ゼンリンと覚書(MOU)を締結した。
覚書の内容は、両社それぞれの中核的強み、リソース共有、技術補完性を背景に、中国の自動車メーカー向けに、日本国内市場のニーズを汲み取ったナビゲーション製品とインテリジェントコネクテッドサービスの開発に向けて緊密な協力関係を築くというもの。
東軟グループは、日本を自社製品の提供先として戦略的な地域であると位置付け、当地でR&D開発やプロジェクトの策定・実施。人材育成からエコシステムの構築に至る事業展開を強化。インテリジェントモビリティソリューションを提供・拡大を目指している。
対してゼンリンは、日本全国の地図データを包括的にカバーする地図企業として70年以上の歴史を持ち、個人住宅の区画形状や建屋フロア毎の企業概要の把握など、人の手を介した緻密な地場調査に加え、今日では最先端技術を活用して精緻なデジタル地図データを継続的に更新。精度と信頼性の確保に務めてきた。
2024年には、その成果としてNeusoftはOneCoreGo®グローバル車載インテリジェントモビリティソリューション5.0をアップグレードしてリリース。標準ナビゲーション製品とカスタム開発を統合したシームレスなワンストップソリューションを提供している。
こうした取り組みに対して東軟グループは、製品面での協力関係を基盤として日本市場のユーザー特有のニーズや問題点を洗い出し適応させるべく、製品機能とシナリオベースの共同設計を強化させていく構え。
こうした協力関係の確立と継続的な深化により、東軟グループはゼンリンが持つ優れた技術力を取り込み、ナビゲーション製品の精度とリアルタイムの交通情報の更新を向上させることを目指す。
結果、自社ナビゲーションコンテンツのエコシステム、モビリティ向けソーシャルネットワーキング、ビジネスモデルなどの機能強化とイノベーションを強化・拡大していくことで、日本国内に於ける自動車ユーザーの安全性、利便性、全体的なモビリティ体験を向上させていきたい考え。
東軟グループでは、「科学技術の絶えまない進歩とグローバル化プロセスの加速に伴い、中日両国はインテリジェントビークルコネクティビティ分野で頻繁的、かつ、より深いコミュニケーションを取っています。
そうしたなかで中国の自動車メーカーの海外進出が加速している現在、当社はソフトウェア能力を核に自国の自動車メーカーの日本及びグローバル市場への進出を支援。インテリジェント自動車産業のグローバル化の波の中で飛躍的な発展と、製品価値の向上を実現させていきます」と結んでいる。