EIH CEO Dr. Brook Taye氏(左)とDodai社 代表取締役兼CEO佐々⽊裕⾺氏
モビリティ向けデファレンシャル・トランスミッションギヤ等の開発・提供を担う武蔵精密工業(ムサシ)は10月24日、エチオピアを拠点に2輪EVの組み立て・販売を手掛けるEVスタートアップのDodai Group, Inc(Dodai社)と協業を前提としたMoU(覚書)を締結した。両社間では今後、ムサシのテクノロジーを搭載した2輪・3輪EVの開発と市場投入を目指し、具体的な協議を行っていく。
ちなみにこのDodai社は、2021年に佐々木裕馬氏が設立したグローバルスタートアップ。佐々木氏は、Uber Japanの営業本部長および電動キックボードのLuup社副社長の実績を持ち、Dodai社は米国デラウェア州に本社を構えている。2023年よりエチオピアを主要拠点に、アフリカ全土での電動モビリティ事業展開に取り組んでいる。
一方、ムサシの代表取締役社長の大塚浩史氏は、先にエチオピア政府系のソブリンファンドを運営するEIH(Ethiopia Investment Holdings)のDr. Brook Taye CEOと会談。同会談に於いてエチオピア政府がカーボンニュートラル達成に向けてEV普及を強力に推進していることを確信。
またDodai社と上記のEIHは、エチオピア国内における2輪EV事業に関するジョイントベンチャー(JV)設立に合意。10月21日に行われた調印式で協業に関するMoUに署名した。そこでムサシはDodai社とのMoUに基づき、年末までに最終的な開発内容およびスコープの確定を目指す他、Dodai社への追加投資の検討も進めていく決断をした。
今後はJVを介して、2輪EV向けのバッテリースワップステーションの運営を行い、今後12か月間でアジス・アベバに100か所のステーション設置を目指す構え。新JVはバッテリーおよびスワップステーションの所有し、その運用はDodai社が行い、一方でEIHは安定的な電力供給とステーション用地の提供を行う座組となっている。そこでムサシはDodai社とEIHによる協業に賛同。エチオピアでの2輪EVの普及を支援することを表明している。
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