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商船三井のLNG燃料自動車船「CERULEAN ACE」
株式会社商船三井は12月19日、自動車船のBook and Claim(ブックアンドクレーム/B&C)サービスで、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)の審査を受け第三者認証を取得した。
この自動車船のBook and Claim(ブックアンドクレーム)サービスとは、脱炭素燃料を導入した船舶の削減価値をシステム上で記録(book)し、その削減価値を別の船舶や、当該船舶輸送を利用した顧客が自らの企業の脱炭素排出実績として移転・主張できる(claim)方法を指す。なお既にB&Cは航空機の利用機会でも活用されている。
妥当性評価声明書 授与式 (写真中央右:ClassNK環境部主管 山本 謙一郎氏、写真中央左:商船三井の自動車船部長 小杉賢嗣氏)
ClassNKによる妥当性評価声明書
但し、ClassNKが日本の海運業界に対してBook and Claim方法論の第三者認証を行ったのは初。同社は2025年1月から当該サービスの運用試験を開始する。
上記の通りで同サービスによって、同自動車船隊でLNGやバイオ燃料を含む低炭素燃料を利用したことによって生じるGHG削減価値を、自動車船輸送サービスを利用する顧客に証書として割り当てることができるようになる。
具体的には、例えば同社がLNG燃料自動車船で輸送した際、重油燃料船での輸送時と比較して削減できたGHG排出量(削減価値)を記録し、当該サービスを利用はした顧客がそれを自社のGHG排出削減分としてカウントすることが可能になる。同方法論についてはClassNKから妥当性の確認を取得している。
ちなみに商船三井は、現時点で新造 LNG 燃料自動車船 14隻の投入を決定済。より環境にやさしい燃料の導入等を通じて自社からのGHG排出を削減する一方で、社会のGHG排出削減にも貢献する取り組みも進め、2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目指すと話している。