三菱自動車工業(以下「三菱自動車」)は3月31日、三菱UFJ銀行との間で、同社が提供する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(資金使途を限定しない事業会社向け投融資タイプ)」の融資契約を締結したと発表した。
「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」とは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が策定したポジティブ・インパクト金融原則及び同実施ガイドラインに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資。
契約の締結にあたり、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に対しインパクトを与える活動として、三菱自動車のマテリアリティ(重要課題)ほかから後述のテーマを選定した。定性的、定量的な評価は三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施し、日本格付研究所から評価にかかる手続きのポジティブ・インパクト金融原則への準拠性、活用した評価指標の合理性について第三者意見を取得している。
なお、契約は三菱UFJ銀行初となる「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」によるシンジケート方式タームローン契約であり、「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」としては最大規模の案件となる。
■三菱自動車が締結した「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約の概要
契約締結日:2022年3月31日
アレンジャー/コ・アレンジャー:三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行
組成金額:1,215億円
資金使途:事業資金
貸出人(五十音順):静岡銀行、中国銀行、八十二銀行、バンコック・バンク・パブリック・カンパニー・リミテッド、百十四銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行
■SDGs達成にインパクトを与えると評価された三菱自動車の主な活動
<電動車による脱炭素社会への貢献>
– EV/PHEVの大容量バッテリーや給電機能を活かしたエネルギーマネジメントやV2Xの普及・拡大、災害時の非常用電源としての活用推進
<環境への負荷低減>
– 自社の事業活動・サプライチェーンからのCO2排出量削減
– 自社の事業活動・販売した製品の使用に伴い発生する廃棄物、環境汚染物質、化学物質の削減
<クルマの安全・安心への追求>
– 道路交通事故の削減に向けた、自動車の安全技術の開発・搭載の推進、および交通安全の教育・普及
<アセアン地域経済・社会へ貢献>
– アセアン地域における雇用の継続的な創出
– アセアン地域の持続的な経済発展に向けた、工場設備投資、技術移転、輸出を通じた外貨の獲得による、現地経済の持続的発展
<ダイバーシティの推進>
– 多様な人材の活躍