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2025年3月12日【事業資源】

マツダ、春季労使協議で満額回答 全社で難局を乗り越える姿勢示す

坂上 賢治

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マツダは、本社に於いて3月12日に開催した「第4回労使協議会」で、マツダ労働組合からの要求に対し、賞与を組合員一人年間平均5.4ヶ月、賃金を月額平均1万8000円増の満額回答したことを明らかにした。満額回答に伴う処遇改善は2022年以降4年連続で、回答した賃金増は過去最高額。

 

上記回答についてマツダの竹内都美子執行役員兼CHRO(最高人事責任者)は、「当社の経営上に於ける財務的影響の重さや、地域企業様への影響なども含めて深く考慮致しました。

 

この度の回答に込めた思いは以下4つ。〝日本経済〟〝自動車産業の競争力維持〟〝地域経済への影響不透明な経営環境〟そして〝人〟です。

 

実質賃金の引上げは、日本の競争力維持、裾野の広い基幹産業である自動車産業の安定した雇用や、ものづくり、競争力の維持に大変重要です。また、地域経済に対する責任や影響の大きさについても認識しております。

 

一方で、電動化や通商政策、経済安全保障といった要因によって、自動車業界の先行きは不透明であり、それらは当社のビジネスにも甚大な影響を与えかねません。しかし私たちは、この外的環境を変えることはできません。よって経営のリスク体制を高めるためには、自らコントロールできる領域に取り組み、成果を上げていく必要があります。

 

こうした状況下で、未来を切り開く原動力は人です。今期、従業員の皆さんの懸命な頑張りに応えると共に、労使一体となって従業員一人一人の力を最大限に引き出すことで大きなチャレンジを乗り越える力を結集できると考えました。

 

そこで必ず成長を実現し、マツダを支えて下さる地域の皆様と共存共栄できるよう、今後も真摯に取り組んでいくための、会社の持続的成長に向けた姿勢を回答に込めました。

 

私たちは、お客様に製品をご購入頂き、そこで得た収益を分配することで、給与を受け取ることができます。そのためには、お客様にご満足頂ける技術、商品、サービス、ブランド価値経営を提供すること、それらを良品、廉価、確かな品質でお客様にご提供して高い収益を確保すること。

 

この2点を確実に取り組み、会社が持続的に成長し、分配を持続的に向上させていけるべく、労使一体となり、全員でベクトルを合わせて厳しい環境を生き抜くことが必要であると考え、組合要求に対して満額回答と致しました。

 

今後も、私たちが目指す将来のマツダの姿を実現するために、従業員、協業パートナー様、お取引先様、販売会社様の皆様と思いをひとつにし、お客様とあらゆるステークホルダーの皆様を大切にし、前向きに今日を生きる人の輪を広げるために、これからも更に皆様との繋がりづくりを進めてまいります。

 

その結果として、ブランド価値を向上させ、大きなチャレンジを一歩一歩確実に進めていくことにより、社会から信頼される企業になれるよう努めてまいります」と満額回答の背景について説明した。

 

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1.本年度の要求内容
賞与: 要求月数 年間 5.4カ月
※ 基礎賃金は、昇給後のものとする。
※ 組合員平均年令 41.3才、平均勤続 18.4年

 

賃金・処遇改善: 組合員一人平均 人への投資の原資として総額 18,000円/月
※ エキスパート・ファミリー組合員、再雇用組合員、期間社員組合員(6カ月勤務し契約更新を経たもの)の賃金改善については、等級 5以下組合員に準じた要求とする。

 

2.昨年度の実績
賞与: 組合員平均 年間 5.6カ月(満額)
賃金・処遇改善: 組合員一人平均 月額 16,000円(満額)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。