
マツダは、本社に於いて3月12日に開催した「第4回労使協議会」で、マツダ労働組合からの要求に対し、賞与を組合員一人年間平均5.4ヶ月、賃金を月額平均1万8000円増の満額回答したことを明らかにした。満額回答に伴う処遇改善は2022年以降4年連続で、回答した賃金増は過去最高額。
上記回答についてマツダの竹内都美子執行役員兼CHRO(最高人事責任者)は、「当社の経営上に於ける財務的影響の重さや、地域企業様への影響なども含めて深く考慮致しました。
この度の回答に込めた思いは以下4つ。〝日本経済〟〝自動車産業の競争力維持〟〝地域経済への影響不透明な経営環境〟そして〝人〟です。
実質賃金の引上げは、日本の競争力維持、裾野の広い基幹産業である自動車産業の安定した雇用や、ものづくり、競争力の維持に大変重要です。また、地域経済に対する責任や影響の大きさについても認識しております。
一方で、電動化や通商政策、経済安全保障といった要因によって、自動車業界の先行きは不透明であり、それらは当社のビジネスにも甚大な影響を与えかねません。しかし私たちは、この外的環境を変えることはできません。よって経営のリスク体制を高めるためには、自らコントロールできる領域に取り組み、成果を上げていく必要があります。
こうした状況下で、未来を切り開く原動力は人です。今期、従業員の皆さんの懸命な頑張りに応えると共に、労使一体となって従業員一人一人の力を最大限に引き出すことで大きなチャレンジを乗り越える力を結集できると考えました。
そこで必ず成長を実現し、マツダを支えて下さる地域の皆様と共存共栄できるよう、今後も真摯に取り組んでいくための、会社の持続的成長に向けた姿勢を回答に込めました。
私たちは、お客様に製品をご購入頂き、そこで得た収益を分配することで、給与を受け取ることができます。そのためには、お客様にご満足頂ける技術、商品、サービス、ブランド価値経営を提供すること、それらを良品、廉価、確かな品質でお客様にご提供して高い収益を確保すること。
この2点を確実に取り組み、会社が持続的に成長し、分配を持続的に向上させていけるべく、労使一体となり、全員でベクトルを合わせて厳しい環境を生き抜くことが必要であると考え、組合要求に対して満額回答と致しました。
今後も、私たちが目指す将来のマツダの姿を実現するために、従業員、協業パートナー様、お取引先様、販売会社様の皆様と思いをひとつにし、お客様とあらゆるステークホルダーの皆様を大切にし、前向きに今日を生きる人の輪を広げるために、これからも更に皆様との繋がりづくりを進めてまいります。
その結果として、ブランド価値を向上させ、大きなチャレンジを一歩一歩確実に進めていくことにより、社会から信頼される企業になれるよう努めてまいります」と満額回答の背景について説明した。
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1.本年度の要求内容
賞与: 要求月数 年間 5.4カ月
※ 基礎賃金は、昇給後のものとする。
※ 組合員平均年令 41.3才、平均勤続 18.4年
賃金・処遇改善: 組合員一人平均 人への投資の原資として総額 18,000円/月
※ エキスパート・ファミリー組合員、再雇用組合員、期間社員組合員(6カ月勤務し契約更新を経たもの)の賃金改善については、等級 5以下組合員に準じた要求とする。
2.昨年度の実績
賞与: 組合員平均 年間 5.6カ月(満額)
賃金・処遇改善: 組合員一人平均 月額 16,000円(満額)