マツダと三菱商事クリーンエナジーは8月1日、広島市環境影響評価条例に基づき「アンモニア活用火力発電所整備事業 環境影響評価 実施計画書」を広島市長へ提出。それが公告された。
ちなみにマツダでは現在、広島・本社工場の稼働エネルギーをMCMエネルギーサービス(マツダと三菱商事の合弁)の石炭火力発電設備からの調達で賄っている。しかし当該発電設備は老朽化が進んでいることに加え、稼働に伴うCO2排出量が本社工場の約56%を占め、その削減が急務となっている。
そこで三菱商事クリーンエナジーの協働のもと既存の石炭火力発電設備に替えて、アンモニア燃料を使うガスタービン火力発電設備を建設する。このアンモニア発電とは、無色透明のアンモニアを燃焼させてエネルギーを取り出すもの(燃焼に伴うCO2排出はゼロ)。この事業は広島市環境影響評価条例の対象事業(出力5万kW以上の火力発電所)となっており目下、環境影響評価を進めている。
対象のアンモニア発電事業の概要は以下の通り
同事業は、本社工場内でアンモニアを活用した火力発電施設を建設・設置する。発電出力は約11万kWを計画。事業計画地は工業専用地域にあたり、現在は工場内の完成車置き場などに利用されている場所だ。なおマツダ工場の周辺には、主に北側に住宅が分布しているが、事業計画地は最も近い住宅から約600m以上離れた場所に位置している。
事業概要
事業者の名称:マツダ株式会社/三菱商事クリーンエナジー株式会社
事業の名称:アンモニア活用火力発電所整備事業
事業の種類:電気工作物(火力発電所)の設置
事業の規模:約 110,000kW
事業計画地:広島市南区仁保沖町 1 番 1 号
敷地面積:約 100,000m2(最大時)
操業時間:24 時間/日
発電方式:アンモニア専焼 GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)またはアンモニア分解ガス専焼GTCC
発電工程
発電方式は、上記の通りガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント(GTCC)によるもので、現時点ではアンモニアを直接燃焼する専焼方式(ケース1)、アンモニア分解ガスを燃焼する専焼方式(ケース2)の 2 案を検討中。
設置する発電プラント(GTCC)では、受け入れたアンモニアを貯蔵タンクで保管した後、燃料を燃焼器に注入して燃焼させ、高温高圧となった気体でガスタービンを回転させて発電する。更にその排ガスは排熱回収ボイラーに導入し、熱回収によって発生した蒸気により蒸気タービンを駆動して発電する。
工事計画
– 施設の設置にあたっては、造成工事、基礎工事、建屋工事を行いつつ、プラント工事により各設備を順次設置する計画。工事期間は4年間。なお事業計画地の一部は、過去にヘリポートなどで利用された高台に位置するため、造成工事では切土等を行う計画。
– 主に造成工事時に発生する雨水などの排水は、事業計画地内の仮設排水桝に集水した上で水質測定を行い、必要に応じて濁水対策を講じた上で公共用水域に放流する計画。
– 工事用資材は海上輸送、陸上輸送を併用する。海上輸送は事業計画地の南側に運搬船を着岸し事業計画地に資材を搬入する。陸上輸送にはトレーラーや生コン車等を使用し、マツダ工場に通じる主要地方道 翠町仁保線 (県道 86 号線) を主要運搬ルートとして工事用資材等を搬入する予定。工事用資材の運搬や残土の搬出で使用する車両台数は最大で約 70 台/日を計画している。
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1.事業実施の区域
広島県広島市 マツダ株式会社本社工場宇品地区敷地内
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2.実施計画書の縦覧
(2-1 )期間
2024 年 8 月 1 日(木)から 2024 年 8 月 31 日(土)まで
(2-2)縦覧場所等は以下の通り
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3.縦覧場所と閲覧場所
(3-1)縦覧場所
縦覧場所:市役所本庁舎(環境局環境保全課)、南区役所(区政調整課)
縦覧する日:土曜日、日曜日、祝日及び 8 月 6 日を除く毎日
縦覧場所:仁保公民館、青崎公民館、大河公民館、楠那公民館、宇品公民館
縦覧する日:火曜日、祝日を除く毎日
縦覧場所:合人社ウェンディひと・まちプラザ
縦覧する日:第3月曜日を除く毎日
縦覧場所:マツダ株式会社 東正門警備所
縦覧する日:土曜日、日曜日及び8月10日から8月18日を除く毎日
(3-2)閲覧場所
縦覧場所を補うため、次の場所において実施計画書等を閲覧に供する。
閲覧場所:坂町役場(環境防災課)
閲覧する日:土曜日、日曜日及び祝日を除く毎日
閲覧場所:横浜ふれあいセンター
閲覧する日:祝日を除く毎日
閲覧場所:小屋浦ふれあいセンター
閲覧する日:祝日を除く毎日
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4.意見書の提出
実施計画書について、環境保全の見地から意見を有する方は、意見書を提出いただくことができる。
意見書の提出に必要な事項
(4-1)意見書の提出の対象である実施計画書の名称
アンモニア活用火力発電所整備事業 環境影響評価実施計画書
(4-2)意見書を提出しようとする方の氏名及び住所
法人その他の団体にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
(4-3)実施計画書についての環境保全の見地からの意見及びその理由
意見は日本語により、意見の理由及び根拠を含めて記載する。
(注)意見書に記載される個人情報は、本件についてのみ使用し、それ以外の目的には使用しない。
意見書様式
意見書 PDF
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2024/202408/240801a.pdf
提出方法・期限
郵送、Eメール又はFAXにより提出。
2024 年 9 月 14 日(土)(当日消印有効)までに意見書を下記提出先まで郵送。
提出先
〒730-8670 広島県安芸郡府中町新地 3-1
マツダ株式会社 技術本部 プラント技術部 宛
メールアドレス:mc.plant-cn.info@mazda.co.jp FAX:082-287-5173
〒100-8086 東京都千代田区丸の内 2-6-1
三菱商事クリーンエナジー株式会社 電力事業本部 エナジートランジション第一部 宛
FAX:03-3210-8053
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なお実施計画書の内容は、以下の広島市ホームページでも公表されている。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/kankyohozen/list1169-2156.html
アンモニア活用火力発電所整備事業 環境影響評価実施計画書(要約書) [PDFファイル/2.9MB]
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/245094.pdf
アンモニア火力発電所整備事業に係る環境影響を受ける範囲であると認められる地域の選定書 [PDFファイル/4.3MB]
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/245095.pdf