マクニカは4月20日、貨物輸送EVと水素燃料電池技術のGAUSSIN.SA(ゴーサン)(本社:フランスヘリクール、CEO:Christophe Gaussin)と自律走行EV開発を担う新会社を設立。同新会社は自動運転EVバスNAVYAに係る資産を引き継ぐ。
NAVYAは、レベル4の自動運転ソフトウェア開発・車両実装・運用に専門知識を持つエンジニア120人以上有する企業。都市部や郊外向けの15人乗り自動運転EVバス製品「ARMA」および「EVO」では、世界25か国で200台以上の販売実績を保有している。また仏ボロレ社と35人乗りシャトルバス「BlueBus」の共同開発を積極推進している。
新会社へのGAUSSINとマクニカの資本比率は51:49。出資両社から取締役を任命、代表者にはGAUSSINのエグゼクティブバイスプレジデントのジャン=クロード・バイリー(Jean-Claude Bailly)氏が就任する予定。
このGAUSSINは、2010年にパリのユーロネクスト・グロースに上場した企業(ユーロネクスト・グロース – FR0013495298)で、輸送およびロジスティクスの分野で事業展開するエンジニアリング会社だ。
そのノウハウは、商品や人の輸送、自動車誘導車などの無人使用のための自律技術、およびあらゆる種類のバッテリー、特に電気と水素のバッテリーの統合をカバーしている。
世界中に5万台以上の車両を持つGAUSSINは、急速に拡大している4つの市場(港湾および空港ターミナル、ロジスティクス、人々の移動)で高評価を得ており、カタール航空カーゴ、マースクAPMT、UPS、アマゾンなどのグローバル企業と契約を締結している。
対するマクニカは、過去7年に渡って自動運転ビジネスを日本国内やASEAN諸国等アジアを中心にグローバル展開。自動運転実証車両の開発、それを支えるオペレーションソフトウェア、アルゴリズム、ECU、LiDARセンサー等のコア技術や、社会実装時のデータ分析。
リアルタイムFMS(運行管理システム)の専門性を活かしつつ、オンロード(首都圏や地方自治体の公道)と、オフロード(鉱山、工場、倉庫、プラント、空港、港湾などの私有地)の2つの領域でソリューションを提供して来た。
その中でもNAVYAの自動運転EVバスは、地域の活性化や地方自治体における交通移動課題などの社会課題解決に向けた最有力ソリューションとして位置付け、茨城県境町や三重県四日市市、羽田イノベーションシティなどに対して提供実績を持つ国内総代理店として展開している。
これらを踏まえマクニカは、これからもレベル4自動運転の社会実装を加速させ、社会課題の解決に貢献していく構えだ。
更に新会社の販売戦略について、オンロード市場ではNAVYAの既存製品「ARMA」、「EVO」を継続販売しながら、GAUSSINの開発製造ノウハウとNAVYAのソフトウェア技術を活かした次世代型自動運転EVバスの開発を進める。
より具体的には、急増する公道でのレベル4自動運転EVバスの世界市場に対し、向こう4年間で500台以上の販売を目指す。
他方、オフロード市場では、GAUSSINの主力製品である電動・水素バッテリーによる大型貨物輸送AGVにNAVYAの自動運転ソフトウェア技術を組み込む事により、港湾、プラント向け自動化ソリューションの開発・拡販を加速させていく構え。
またいずれもマクニカのサービス・ソリューションカンパニーとしてのグローバルネットワークの強みと、GAUSSIN/NAVYAが有するハードウェア/ソフトウェアの技術・開発・製造の強みの融合する事でビジネスシナジーを創出。
自動運転サービス・ソリューションの世界的な社会実装を加速させ、サステナブルな成長を目指していくという。