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2024年6月8日【事業資源】

共生バンク、タイSTPXと成田でスマートシティ構想

坂上 賢治

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ゲートウェイ成田の完成予想図

 

不動産・ホテル・レジャー施設などを手掛ける〝共生バンクグループ〟( 本社:東京都千代田区 )は6月8日、米・NVIDIAとパートナー関係を持つクラウドサービスプロバイダーの〝STPX Global〟( 本社:タイ王国バンコク市 )との間で業務提携を結び、日本国内でAIソリューションビジネスを共同で展開する。

 

具体的には、今年8月を目処に共生バンクグループとSTPX Globalが、新会社のSTPX Global Japan株式会社( 仮称 )を東京都内に設立する。その上で、NVIDIAがいう「生成AI向けにイーサネット ネットワーキングを強化する」という声掛けに対応。年内にもSpectrum-X( 会社概要は、設立次第速やかに発表される )を日本国内に設立・事業運用していくことで、国際市場に於けるAIソリューションの拡大に応えていく。

 

そこで今提携では、NVIDIAの生成AIワークロードをターゲットにした新しいEthernetベースのネットワーキングプラットフォーム「Nvidia Spectrum-X(2023年6月発表)」の市場規模を広げるべく、単なるハードウエア(チップ等)の代理店という立場を超えて、生成AIのトータルソリューションビジネスを各種業界向けに世界的規模で展開していきたい意向も持っているとした。

 

ちなみに上記の「Nvidia Spectrum-X」とは、生成AIのパフォーマンス1.7倍としつつ、電力効率の向上も両立させたもの。そもそもAIを稼働させるためのクラウドシステムは、ユーザーアクセスに使用される領域と、GPUとCPUを繋ぐために使用されるイーサネットネットワーク領域があり、特に後者で使われる領域は、生成AIワークロードで遅れが生じる。そこでデータパケットを落とさないよう非常に短いテールレイテンシを維持できるのが「Nvidia Spectrum-X」の生成AI最適化の強みとなっている。

 

こうした活動に加えて共生バンクグループとしては、自らの不動産開発・投資での強みを活かし、先の5月に千葉県成田市における大型開発プロジェクト「ゲートウェイ成田プロジェクト」のマスタープランを発表した計画を拡張。上記の新データセンター事業のみならず、AIに関連するソリューションビジネスの拡大を目指していく考えだ。

 

GATEWAY成田の施設イメージ

 

なお上記の「ゲートウェイ成田」とは、成田国際空港の隣接地に45万5000平方メートル規模(東京ドーム10個分)の商業施設を設けるというもの。同施設はインバウンド消費とメイド・イン・ジャパンの海外進出を具現化させる場として、高度医療センター、バスターミナル、ホテル、レストランの他、国際常設展示場、劇場、ミュージアムなどを備える複合型拠点であるという。

 

「ゲートウェイ成田」を包括した事業構想と進捗は以下の通り

 

  • (1) NVIDIAの技術を駆使した世界初の「AI スマートシティ」を企画・プロデュース。様々なNVIDIA製品の価値を体験できるショーケースとして開発する。

 

  • (2)商業施設、ホテル、デジドーム、R&D、交通システム、物流システム、通信システム等、多彩なファシリティシステムにNVIDIAの技術を活用。世界最先端のエネルギー効率を実現する未来の街づくりを目指す。

     

  • (3)施設の施工段階からAI技術を活用。今後世界的な課題となる建築施工の省人化と工期短縮化を模索する。また将来的にはAIスマートシティを企画から竣工、運営までをパッケージ化し、同システム&ソフトパッケージを世界で販売する。

 

また主な提携概要の大枠は以下の通り

 

  • 共生バンクグループが、新設のSTPX Global Japan株式会社( 仮称 )の株式の51%シェアを取得する。

 

  • 年内に16NodesのAI向けデータセンターを東京に設置。NVIDIA Spectrum-X Ethernetを用いて運用を開始し、随時拡大しながらも3年後の2027年度中を目途に5000Nodes規模まで拡帳させる。

 

  •  STPX Global Japan株式会社( 仮称 )を通じ、NVIDIA Spectrum™-X Ethernetネットワーキングプラットフォームを活かしたAIスマートシティのショーケース「ゲートウェイ成田」のビジネスモデルを、日本国内からアジア・全世界規模へと拡張していく。

 

商号:共生バンク株式会社
本社:東京都千代田区二番町12-3グレイス麹町2階
設立:1997年7月
代表:代表取締役 栁瀨健一
資本金:3億7950万円

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。