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2024年10月10日【事業資源】

鴻池運輸、関空グランドハンドリング実証が本格運用へ移行

坂上 賢治

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鴻池運輸とそのグループは、位置情報検知技術を保持するイスラエル企業Hoopo Systems Ltd.(hoopo/フーポ)と協力。2021年から関西国際空港の制限区域内でフーポが開発した位置測位センサーを搭載したパレットドーリー(ドーリー/コンテナ運搬のための台車)でのグランドハンドリング業務(航空機への貨物搭降載&搬送に関わる地上業務)に実証実験として従事。

 

この度、位置測位センサー搭載ドーリーの実証運用を無事完了させ、先の10月1日から本格的な実運用フェーズを始動させた。なお、このフーポ製センサーを使う実証実験としては、日本国内空港では初の事例となった。

 

完了した実証実験の具体的内容は、ドーリーを使うグランドハンドリング業務の効率化を高めるべく、ドーリーのリアルタイムの位置情報や積み荷の有無を素早く把握して、作業者の労働負荷の軽減を目指したもの。

 

ドーリーに設置したセンサーhoopo製センサーhoopo Sense-C

 

空港内に散在するドーリー自体の捜索は、鴻池グループ傘下のKグランドサービス( KGS )が担い、運用効率の向上をサポートさせる格好とした。この際、ドーリーの現在位置や積み荷の有無は、衛星利用測位システム(GPS)を介しパソコンやスマートフォンなどの端末でフーポ製のセンサー位置を正確に把握。

 

こうした実証実験を重ねた続けたことで、ドーリーの位置測位の「精度検証」「有用性」「耐久性」を確認。これを受けて、先の通り今年10月1日よりKGSが保有するドーリー563台に実証済のセンサーを搭載。本格的な運用を開始した。

 

なお実証前の段階では、ドーリー捜索・把握に係る実務は旅客便1便あたり(旅客便1便に対して使用するパレットドーリーは約8台)の約30分程度の時間を要していた。しかし位置測位・積載検知センサーを搭載したドーリーの捜索は約15分となり、約50%の捜索時間の削減が実現している。

 

鴻池運輸によると、今回の業務効率化・労働負荷軽減の取り組みは、コロナ禍を契機とする作業員の人手不足が顕在化するなか、空港内の労働環境の改善に大きく貢献するものと考えていると述べている。また併せて今後、グランドハンドリング業務を担うKGS以外のグループ各社への水平展開も検討していくと結んでいる。

 

 

商号:鴻池運輸株式会社
代表者:代表取締役会長兼社長執行役員鴻池 忠彦
大阪本社 :大阪市中央区伏見町 4-3-9
東京本社 :東京都中央区銀座6-10-1
創業 :1880(明治 13)年 5 月
会社設立 :1945(昭和20)年5月30日
資本金 :1,723百万円
従業員数 :約24,000名(連結)※臨時雇用者数を含む
売上高 :315,029百万円(連結)
営業利益 :16,634百万円(連結)
事業内容:
鉄鋼事業、エンジニアリング事業、食品関連/定温物流事業、食品プロダクツ関連事業、生活関連事業、メディカル事業、空港事業、国際物流事業、インド事業
※資本金、従業員数、売上高、営業利益:2024年3月31日現在。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。