コマツは6月11日、100%子会社であるコマツマイニングの、主にトンネル・一般工事向けのコンベアを生産する英国拠点(英国サンダーランド)を、売却すると発表した。
英国コンベア事業の内、砕石・建設・坑内掘り鉱山向けのコンベアの設計を行うエンジニアリング事業については、Fairport Engineering Limited(英国ランカシャー、以下、FEL社)に、コンベア・砕石機用のローラーの製造等を行うマニュファクチャリング事業は、MBO(マネジメント・バイアウト)により現従業員へ売却する契約を、それぞれ締結していると云う。
KMCのコンベア事業については今年3月、米国拠点(米国アラバマ州ウィンフィールド)と豪州拠点(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州サマーズビー)の売却を発表しており、今回の売却により、KMCが保有するすべてのコンベア事業を売却することとなる。
トンネル・一般工事向けのコンベア事業を獲得するFEL社は、エンジニアリング・ソリューション事業の更なる成長を、一方、現従業員によるMBOにより設立される新会社Sunderland Engineering TEK Limited(英国ニューカッスル・アポン・タイン/SE-TEK社)では、マニュファクチャリング事業を買収により、コンベア事業の新たな可能性と成長を目指す。
コマツでは、鉱山機械の需要について、鉄、銅、金などのハードロック向けは堅調に推移しているものの、石炭向けビジネスは、世界的な脱石炭の流れや燃料炭の価格の影響を受け縮小が続いていることから、今回、コンベア事業の売却を決定。坑内掘り石炭(ソフトロック)向け鉱山機械事業の構造改革の一環として、今回の売却により強固な収益構造・企業体質を実現し、グループの持続的成長を目指すとしている。
なお、売却手続は、2021年度中に順次進めていくが、製品供給への影響はないと云う。また、連結業績への影響は軽微であるとしている。