川崎重工業は、3月31日開催の取締役会で、「モーターサイクル&エンジンカンパニー」の分社(※)に関して、準備会社として2月12日に設立した完全子会社「カワサキモータース」に、モーターサイクル&エンジンカンパニーが行う事業(以下、モーターサイクル&エンジン事業)の有する権利義務を、吸収分割により承継させることを決議した。
[分割の目的]
二輪車およびオフロード四輪車をはじめとするパワースポーツ事業、汎用エンジン事業は、CASE(※)に代表される大変革期を迎え、環境規制対応、電動化や先進安全技術分野での協業も進みつつある。中でも主力のパワースポーツ事業は、川崎重工の中で唯一のB to C事業であることから、機動的かつ果敢な意思決定が必要とされる事業特性がある。
川崎重工は、このような事業環境の下、会社分割を通じて、自律的な事業運営体制を確立することによりスピード感のある経営を遂行し、新たなライフスタイルの提案など、顧客に密着した製品・サービスの提供を通じて、さらに強固なブランドの構築と事業の持続的成長を図る。
※1:昨年11月2日公表。
※2)CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をつなげた造語。
[分割の概要]
(1)分割の要旨
①日程
– 取締役会決議日:2021年3月31日
– 分割契約締結日:2021年3月31日
– 分割予定日(効力発生日):2021年10月1日(予定)
(注)分割は、川崎重工において、会社法第784条第2項の規定による簡易吸収分割に該当することから、株主総会決議による承認を得ずに行われる。
②方式
カワサキモータースを承継会社とし、川崎重工を分割会社とする吸収分割。
③株式の割当て内容
カワサキモータースは、分割に際して、普通株式19,800株を発行し、そのすべてを川崎重工に割当て交付する。
④新株予約権および新株予約権付社債に関する取り扱い
該当事項はない。
⑤増減する資本金
分割による川崎重工の資本金の変更はない。
⑥承継会社が承継する権利義務
カワサキモータースは、分割により川崎重工のモーターサイクル&エンジン事業に関して有する権利義務を承継する(但し、吸収分割契約において承継しないと定めたものを除く)。
⑦債務履行の見込み
分割において、川崎重工が負担すべき債務について、その履行の確実性に問題がないと判断。
(2)分割の当事会社の概要
※1:確定した最終事業年度がないため、カワサキモータースの財政状態および経営成績は「-」。
※2:親会社株主に帰属する当期純利益。
(3)承継する事業部門の概要
①承継する部門の事業内容
川崎重工のモーターサイクル&エンジンカンパニーが行う事業(二輪車、オフロード四輪車、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト、汎用ガソリンエンジン、ニッケル水素電池等およびそれらの部品の設計、開発、製造、修理、解体ならびに販売および賃貸借に関する事業等)。
②承継する部門の経営成績(連結)
③承継する資産、負債の項目および金額(連結、2021年10月1日予定)
(注)承継する資産・負債の金額は現時点の見込み額。
(4)本分割後の状況
川崎重工に関しては、商号、本店所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金および決算期について、いずれも分割による変更はない。カワサキモータースについては、以下の通り。
– 商号:カワサキモータース株式会社
– 本店所在地:兵庫県明石市川崎町1番1号
– 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 伊藤 浩(※)
– 事業内容:モーターサイクル&エンジン事業
– 資本金:1,000百万円
– 決算期:3月31日
※分割の効力発生日までに、代表者を堀内勇二氏から伊藤浩氏へ変更される予定。
(5)今後の見通し
分割が、川崎重工の連結業績に与える影響は軽微。
(参考)当期連結業績予想(2021年3月31日公表分)および前期連結実績
■川崎重工 モーターサイクル&エンジンカンパニー:https://www.khi.co.jp/corporate/division/motorcycle_engine/