
ダッソー・システムズは5月29日、JLR
(ジャガー・ランドローバー)との長期的戦略パートナーシップを更に5年間延長することを発表した。これにより、JLRに於けるデジタル変革が進み、社内全体の効率向上、共同イノベーション、サステナビリティへの取り組みが強化されるとした。
より具体的に、JLRは傘下のビジネス分野並びにサプライヤー各社を跨ぐ1万8千人以上のユーザーがダッソーの「3DEXPERIENCEプラットフォーム(バーチャルツイン環境)」を世界規模で活用。効率の向上、生産管理の改善、開発期間の短縮、廃棄物やコストの削減を図る。
ちなみに上記の3DEXPERIENCEプラットフォームとは、製品、サービス、企業内システムなどを連携させるための環境を指すもの。 コンセプト、要件定義、設計、モデルベースエンジニアリング、CAD、製造、バリューチェーン、サービス、マーケティングなど事業プロセスに関わる全社員が携可能なバーチャル環境で知見を共有・活用して、共同作業ができるよう、様々なツールや機能が集約されたビジネスワークフロー。
JLRは、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームを基盤とする自動車・輸送機械・モビリティ業界向けインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスの全ポートフォリオを、オンプレミスとクラウドの両方で利用することができるため、JLRの従業員は高い技術が求められる作業により注力するだけでなく、より高度で専門的な役割に於いて成長する機会を得ることができる。
また企業活動やエコシステムを包括的かつリアルタイムに可視化し、人、アイデア、データ、ソリューションを一つのコラボレーティブな環境のもとに紐づけ、スタートアップから大企業まで企業規模を問わずビジネスを推進し、イノベーションや、全く新しい方法での製造、取引を実現するとダッソー・システムズでは謳っている。
このようなグローバル規模での3DEXPERIENCEプラットフォームの連携・展開は、高い水準の卓越性とパーソナライズ化が求められる自動車業界でダッソー・システムズの役割をより強固なものにするとしている。
ダッソー・システムズで自動車・輸送機械・モビリティ業界担当バイスプレジデントを務めるローレンス・モンタナリ氏は、「JLRは、3DEXPERIENCEプラットフォームを活用してバーチャルツイン体験を強化することで、ハードウェアとソフトウェアの開発をシームレスに統合するソフトウェア定義型車両の開発を進めています。
このシステムズ・エンジニアリング手法によって、さまざまな分野が統合されることで車両開発を促進すると同時に、高級車ブランドに求められる卓越性を確保します。当社のSaaSソリューションは、JLRチームの機敏性を高め、最新テクノロジーにオンデマンドでアクセスできるようにします。
5年間のパートナーシップ契約の後に、我々は設計や製造の枠を超えた連携を強化していきます。このパートナーシップを通じて、JLRとダッソー・システムズ( の自動車・輸送機械・モビリティ業界向けのソリューション )は、短期間に繰り返される開発工程に於いて緊密に連携し、JLRとそのエコシステムの課題に取り組んでいます」と両社の取り組みと共通の目的について説明している。