TSMC( Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited )が株式の過半を有する半導体受託製造子会社のJASM( Japan Advanced Semiconductor Manufacturing )は2月6日、イメージセンサー事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズ( SSS )、デンソー、トヨタ自動車からの追加出資を受けて、熊本県に2拠点目となる第二工場を建設すると発表した。( 坂上 賢治 )
より具体的には、第二工場の建設を2024年末までに開始させる予定。今回の生産規模の拡大により、JASMの全体的な収益構造の改善とサプライチェーンの効率化が見込まれる。
この結果、JASM両工場合計の月間生産能力は100,000枚( 300㎜ウェーハ換算 )以上となる見込みで、自動車、産業、民生、ハイパフォーマンス・コンピューティング( HPC )用途向けに40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nmプロセス技術による製造を担う。
なお、これらの生産能力計画は、市場に於ける需要状況を鑑みて調整していく予定としているものの、JASMは日本政府からの強力な支援を受ける前提で、これらの複数工場に於いて計3,400名以上の先端技術に通じた人材の雇用創出を見込んでいる。
第二工場の稼働は2027年(暦年)末までの開始を目指す。また今回、トヨタからの少数持分出資が加わり、2024年からの生産開始を予定する一つ目の工場( 第一工場 )を含めると、JASMに対する日本側の設備投資額は200億米ドル( 約2兆9,600億円/1米ドル=148円換算 )を超える見込み。
総出資額換算上の比率では、TSMCが約86.5%、SSSが約6.0%、デンソーは約5.5%、トヨタは約2.0%のJASM株式を保有することになる。このJASM、TSMC、SSS、デンソー、トヨタの取引の完了は、一般的なクロージング条件を満たすことが条件となっている。