伊藤忠エネクスとWECARSは12月26日、フォースバレー・コンシェルジュと外国人自動車整備士の採用に関する基本合意書を締結した。
伊藤忠エネクスとWECARSは業界最高水準の整備設備。そして国家資格と豊富な実務経験を有する自動車整備士を配して、自社の高品質な車両整備・サービスを支えている。
しかし一方で、自動車整備士の不足は業界の課題であると認識。国内人材による労働環境を最適化するべく、外国人材に特化した人材紹介の草分け的企業のフォースバレーと協業に向けた協議を進めてきた。
フォースバレーの運営する”japantown”で日本語を学ぶ日本企業内定者たち
ちなみにこの協業では、フォースバレーがインドやネパールの国立大学などと提携。自動車整備に関する専門的カリキュラムを提供して人材の教育を担う。対して伊藤忠エネクスとWECARSは、来日後に自社ブランドの整備工場で勤務することを前提に、海外からの自動車整備士候補をフォースバレーから紹介を受け優先的に採用するという流れだ。
実習講義を受ける理系学生たち(カトマンズ大学)
今回の取り組みに際し、協業先となるフォースバレー・コンシェルジュの柴﨑代表取締役社長は、「今回の協業を実現できましたことを大変嬉しく思います。自動車整備士業界の深刻な人材不足は、業界の発展を阻害するだけでなく、国民の安全を脅かすことにも繋がりかねません。
この課題解決に向け、当社と伊藤忠エネクスおよびWECARSの知見を融合し、当グループのみならず、業界全体の整備士の育成・輩出に取り組んでまいります。本協業を通じ、世界中の新興国・発展途上国の大卒整備士人材が日本就労を目指すような、夢ある展開に導きたいと思います」と語っている。
フォースバレー・コンシェルジュの事業概要は以下の通り
会社名:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社
本社所在地:東京都千代田区麹町六丁目6番2号 番町麹町ビルディング5F
事業内容:世界中の人材と企業を繋ぐ、国境を越えたハイスキル人材の採用・定着支援事業を「Connect Job」のブランド名で展開。
自社開発のデータベースには186の国と地域、累計約46万人の人材が登録しており、日本の大手グローバル企業、IT企業を中心に地方・中小企業まで約400社との取引実績あり。2021年以降には、特定技能向けオンラインマッチングプラットフォーム「Connect Job WORKERS」、海外人材に現地で日本語教育と就労トレーニングを実施。
更に企業に即戦力人材を紹介する「Fourth Valley Academy」を展開するなど、幅広い領域で人材支援サービスを拡充してきた。また、経済産業省・沖縄県・富山県・静岡県・長野県など、省庁・地方自治体からも事業を受託。雇用不足の国から人材不足が深刻な日本へ優秀な人材を迎え入れ、ビジネスの力で世界中の社会問題の解決にも貢献している。
なお同社は2024年12月、事業会社・ファンド・個⼈投資家等の引受により総額6億円の株式引受契約も締結完了している。当該ラウンドにおける投資家(順不同)は以下の通り。
- – 東京海上日動火災保険株式会社
- – 株式会社アトラエ
- – AAIC Investment Pte. Ltd.
- – 伊藤忠エネクス株式会社
- – 株式会社オリエンタルランド・イノベーションズ
- – Leapfrog Technology Inc.
- – 事業会社複数
- – 個人投資家複数
当該ラウンドに於ける資金利用目的は、先のFourth Valley Academyを包括する自社活動領域の更なる拡大の他、外国人材のライフサポートまで視野に入れた移民デジタルプラットフォームの構築にあるとしている。
人材の受入先となる2社の概要は以下の通り
会社名:伊藤忠エネクス株式会社
本社所在地:東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
事業内容:石油製品・LPガスの卸売・小売事業、電力・熱供給事業、および車関連事業またこれらに付随するサービス事業
会社名:株式会社WECARS
本社所在地:東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
事業内容:国産車、外国車の中古車・新車販売および車両買取業務、車検・一般整備および鈑金塗装業務