伊藤忠商事、伊藤忠商事傘下の伊藤忠エネクス、企業再生に強みを持つ投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズの3社は11月17日、ビッグモーターと、事業再建の可能性を検証するための基本合意書を締結したことを明らかにした。
なお伊藤忠は支援の条件に「再建にビッグモーターの創業家が関与しない」ことを提示しており、ビッグモーター側も大筋で同意している模様。対するビッグモーター側では伊藤忠商事について、「自動車関連事業に於けるハンズオン経営の実績も有し、オペレーション効率化、成長戦略の立案等にも強みを持っている」とのリリースを公開している。
今後は、2024年3月末までにビデューデリジェンス(Due Diligence/投資家が投資する際や金融機関が引受業務を行う際に投資対象のリスクリターンを適正に把握するべく事前実施する一連の資本査定調査)に着手し、同年春までに伊藤忠側が再建を支援するかを最終決定する見込み。
なお、これまでの不正事案を前提に国土交通省は先の10月、ビッグモーターが敷く34の事業所を道路運送車両法に基づく事業停止に。加えて金融庁は、保険業法に基づき、同社の保険代理店登録を11月30日付で取り消す方針を示している。また創業家は、今も現行のビッグモーター株の100%を保持していることから、事業解体も含めて今後の動向については、予断を許さない環境下にある。