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2025年2月14日【事業資源】

伊勢志摩、観光タクシーの需要拡大でテストマーケティングを開始

坂上 賢治

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The Ise-Shima Taxi Serviceのトップページ

 

公益社団法人 伊勢志摩観光コンベンション機構は、1月24日から高付加価値インバウンド旅行者(高付加価値旅行者)向けに伊勢志摩地域での観光タクシーの需要拡大を目指してテストマーケティングを開始した。

 

上記の伊勢志摩観光コンベンション機構とは、行政区域の枠を超えた伊勢志摩広域で、かつ官民が一体となって様々な観光振興事業を展開することにより、地域経済の活性化及び文化の向上に寄与することを目的としている組織。その具体的な観光振興事業例は以下の通り。また冒頭の高付加価値旅行者とは着地消費100万円以上/人の訪日外国人旅行者を指すもの。

 

・観光情報の発信事業
・観光客及びコンベンションの誘致促進及び受入体制の整備に関する事業
・インバウンド推進事業、伊勢志摩情報発信プロモーション事業、VISIT伊勢志摩事業、MICE誘致事業、誘客促進事業
・観光情報の調査研究及び観光客の満足度の向上に関する事業
・観光産業及び観光文化の振興と人材の育成に関する事業
・伊勢志摩フィルムコミッション事業
・伊勢志摩学生団体誘致委員会に係る事業

 

ちなみに観光庁によれば、高付加価値旅行者は訪日旅行者全体の約1%(約32万人)に過ぎないが、消費額は約14.0%(約6,700億円)を占めている(令和元年時点)。観光庁は、同旅行者の地方部への誘客を図るため、集中的な支援を行うモデル観光地に伊勢志摩を含む全国14地域を選定している。

 

そうした背景を踏まえ伊勢志摩観光コンベンション機構では、専用のWEBサイトを開設するなどで、これまで電話予約が中心だった伊勢志摩地域内のインバウンド向けタクシーサービスのDX化。訪日旅行前(旅マエ)や東京、京都などの都市圏への滞在中(旅ナカ)でのタクシー利用の獲得や、伊勢志摩地域の認知獲得と誘客を図る。

 

サイト名 (英語) The Ise-Shima Taxi Service /(日本語)伊勢志摩タクシーサービス
公開日 2025年1月24日 / 言語 英語、日本語
URL: https://iseshima-taxi.jp/

 

当該のWEBサイトは、ラグジュアリーホテルが多く、伊勢志摩から2~3時間圏内の京都、大阪からの需要を見込んだワンウェイタクシープラン(伊勢志摩までの片道送迎)と、伊勢志摩で滞在するホテルを起点としたラウンド観光タクシープラン(伊勢志摩での観光周遊)を用意している。

 

なお高付加価値旅行者に対応するタクシー会社は当面、三交タクシーと野呂自動車の2社。但し今後、連携タクシー会社は拡大させていく予定としている。また同機構が、令和6年度に実施している二次交通の拡充に向けた調査によると、高付加価値旅行者の受入に先進的な域外のタクシー会社では、ゲストに対する外国語対応やコミュニケーションなど乗務員個人のスキルだけではなく、乗務員に対するモチベーションの醸成やスキルアップの基盤づくりなどマネジメントのスキルも求められることが判っている。

 

そこで、令和5年度のモデル観光地の選定を受けて、高付加価値旅行者の誘致や受入に向けてマスタープランを策定し、それに基づきウリ(高付加価値旅行者のニーズを満たす滞在価値)、ヒト(ガイディング、ホスピタリティ)、コネ(高付加価値旅行者とのネットワーク、情報発信)などの拡充を目指して実証事業に取り組んでいる。

 

同機構では、「このテストマーケティングの実施に伴い、令和7年度以降も高付加価値旅行者の受入に向け、本機構は伊勢志摩地域のタクシー会社の乗務員やマネジメントのスキルアップをサポートしていきます」と話している。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。