パナソニック目黒ビル
パナソニックは10月2日、家電事業の新たな拠点である「パナソニック目黒ビル」(東京都品川区)をオープンし、報道陣に公開した。家電事業を担当するくらしアプライアンス社、空質空調社、エレクトリックワーク社、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション、パナソニック エナジーといったグループ企業が一堂に集い、相互コミュニケーションを促進するとともに、社員一人ひとりが働きたくなるようなオフィスを目指したという。(経済ジャーナリスト・山田清志)
しばWORK
若手社員が主導してコンセプトを決定
「パナソニックは人々の暮らしを支えるベストパートナーでありたいと考えており、その実現の担い手は社員である。その社員一人ひとりが活き活きと輝く、そのような会社を実現するためにさまざまなチャレンジや制度改革、取り組みを推進している」とくらしアプライアンス社の塔之岡康雄常務は話し、その象徴的なオフィスが目黒ビルだという。
Tsumugu-ba
地上25階、地下2階の目黒ビルは若手社員13人をメンバーとした「若手プロジェクト」が主導してコンセプトを決定し、「自然と集まりたくなる」「パナソニックらしさが溢れている」職場環境を目指してつくられた。自然とコミュニケーションが活性化する工夫を随所に施したそうだ。その典型的なフロアが7階、10階、22階と言えるだろう。
例えば、7階には「しばWORK」があり、そこは気分転換を目的とした空間になっていて、フロアの一部が人工芝でリラックスできる場となっている。その人工芝の横にはルームランナーも設置してある。
Tsumugu-ba
また、10階には「Tsumugu-ba」が設けられ、カジュアルなコミュニケーションができる空間となっている。気軽な雑談や相談など、自分の席を離れてさまざまな社員とコミュニケーションがとれるわけだ。しかも、この10階にはパナソニックグループの労働組合の事務所も入居しており、働くことについて相談もしやすい。
COWORKNG
そして、22階は「Tsudou-ba」でソロワークを中心としたスペースだが、他の拠点から来た出張者が集まる場所にもなっていて、その出張者が心地よく働くことができるそうだ。
社員食堂
社員食堂では終業後にパーティも可能
そのほか、組織の枠を超え、横の連携で風土改革を加速するために、目黒ビルではフリーアドレスを採用するとともに、低層階の各フロア中央には、自由に集まってディスカッションができるエリア「COWORKING」を設置している。
8階の社員食堂では、毎日の食事を通じて自然と健康になれるようなヘルシーメニューの提供のほか、食事用途だけでなく、チームメンバー間の語らいやミーティング、社員がリラックスできる空間を創出。終業後には、パーティーメニューやアルコール類も提供することで、コロナ禍では実現が難しかった社内外とのコミュニケーションの場としても利用できるとのことだ。
社員食堂
「私がパナソニックに入社した当時では想像できなかったくらい弊社のオフィス環境は大きな進化を遂げたと思う。この新しいオフィスで、『Make New』というアクションワードのもと、お客様や社会とつながって、ここパナソニック目黒ビルから未来の暮らしの定番となる家電製品やサービス、ソリューションをどんどん創出していきたい」
パナソニックの松下理一副社長執行役員はこう話しているが、思わず「うらやましい」という言葉が出てしまうオフィスと言っていいかもしれない。