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2023年10月2日【ESG】

パナソニックが目黒に設置した働きたくなるオフィスの中身

山田清志

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パナソニック目黒ビル

 

パナソニックは10月2日、家電事業の新たな拠点である「パナソニック目黒ビル」(東京都品川区)をオープンし、報道陣に公開した。家電事業を担当するくらしアプライアンス社、空質空調社、エレクトリックワーク社、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション、パナソニック エナジーといったグループ企業が一堂に集い、相互コミュニケーションを促進するとともに、社員一人ひとりが働きたくなるようなオフィスを目指したという。(経済ジャーナリスト・山田清志)

 

しばWORK

 

若手社員が主導してコンセプトを決定

 

「パナソニックは人々の暮らしを支えるベストパートナーでありたいと考えており、その実現の担い手は社員である。その社員一人ひとりが活き活きと輝く、そのような会社を実現するためにさまざまなチャレンジや制度改革、取り組みを推進している」とくらしアプライアンス社の塔之岡康雄常務は話し、その象徴的なオフィスが目黒ビルだという。

 

Tsumugu-ba

 

地上25階、地下2階の目黒ビルは若手社員13人をメンバーとした「若手プロジェクト」が主導してコンセプトを決定し、「自然と集まりたくなる」「パナソニックらしさが溢れている」職場環境を目指してつくられた。自然とコミュニケーションが活性化する工夫を随所に施したそうだ。その典型的なフロアが7階、10階、22階と言えるだろう。

 

例えば、7階には「しばWORK」があり、そこは気分転換を目的とした空間になっていて、フロアの一部が人工芝でリラックスできる場となっている。その人工芝の横にはルームランナーも設置してある。

 

Tsumugu-ba

 

また、10階には「Tsumugu-ba」が設けられ、カジュアルなコミュニケーションができる空間となっている。気軽な雑談や相談など、自分の席を離れてさまざまな社員とコミュニケーションがとれるわけだ。しかも、この10階にはパナソニックグループの労働組合の事務所も入居しており、働くことについて相談もしやすい。

 

COWORKNG

 

そして、22階は「Tsudou-ba」でソロワークを中心としたスペースだが、他の拠点から来た出張者が集まる場所にもなっていて、その出張者が心地よく働くことができるそうだ。

 

社員食堂

 

社員食堂では終業後にパーティも可能

 

そのほか、組織の枠を超え、横の連携で風土改革を加速するために、目黒ビルではフリーアドレスを採用するとともに、低層階の各フロア中央には、自由に集まってディスカッションができるエリア「COWORKING」を設置している。

 

8階の社員食堂では、毎日の食事を通じて自然と健康になれるようなヘルシーメニューの提供のほか、食事用途だけでなく、チームメンバー間の語らいやミーティング、社員がリラックスできる空間を創出。終業後には、パーティーメニューやアルコール類も提供することで、コロナ禍では実現が難しかった社内外とのコミュニケーションの場としても利用できるとのことだ。

 

社員食堂

 

「私がパナソニックに入社した当時では想像できなかったくらい弊社のオフィス環境は大きな進化を遂げたと思う。この新しいオフィスで、『Make New』というアクションワードのもと、お客様や社会とつながって、ここパナソニック目黒ビルから未来の暮らしの定番となる家電製品やサービス、ソリューションをどんどん創出していきたい」

 

パナソニックの松下理一副社長執行役員はこう話しているが、思わず「うらやましい」という言葉が出てしまうオフィスと言っていいかもしれない。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。