自動車や化学、医療等の計測機器の製造販売を行う堀場製作所(ホリバ)の英国子会社である「ホリバMIRA社」は、10月、幅広い温度下での振動試験等の複合環境評価ができる大型バッテリー向け安全性試験施設を、同国に開設した。
新たな試験施設は、ホリバMIRA社が保有するQuatro Business Park(Unit 1, Paycocke Road,BASILDON, SS14 3GH, United Kingdom)にある車載用バッテリー試験設備を拡張。既存の中小型バッテリー試験に加え、大型バッテリーに対しても国連規則であるUN ECE R100(※1)やUN38.3(※2)に準拠した安全性評価試験を可能とした。
※1:UN ECE R100:電気⾃動⾞(EV)等に搭載されるリチウムイオン電池の国連協定規則。
※2:UN38.3:リチウムイオン電池の国際輸送の安全基準を定める国連規則。
設備投資の背景、設備概要
より高性能なバッテリーの開発とそれをサポートする試験設備の需要の高まりを受け、ホリバMIRA社は、同設備への投資により、中小型バッテリーだけでなく、大型バッテリーに関してもUN ECE R100やUN38.3規格に準拠した試験を可能とした。
設備では、振動試験中にバッテリーの充放電や温度調整に加え、それらを実車両のデューティサイクルに合わせてプログラムすることも可能。恒温槽により、試験中の環境温度を-40°Cから100°Cの範囲で設定可能な、セルやモジュール、パックの安全性試験を提供するほか、振動試験と温度試験の同時実施により、試験時間とテストサンプル数を削減し、製品開発の効率化とコスト削減にも寄与すると云う。
ホリバグループは、ホリバMIRA社がもつバッテリー開発・試験に関するノウハウを活かし、バッテリーの分析・計測及び電動車両開発の効率化支援を通じて、ゼロエミッション社会の実現に貢献するとしている。
■堀場製作所:https://www.horiba.com/jp/