本田技研工業(ホンダ)は11月27日、初の船外機を発売してから今年で60周年を迎えた。そんな同社のマリン事業は、「水上を走るもの、水を汚すべからず」という信念のもと、1964年当時、軽量・廉価な2ストロークエンジンが主流の時代に環境にやさしい4ストロークエンジンでマリン市場に参入したという。
同社によると初の自社製船外機GB30を発売して以降、4ストローク汎用エンジンを独自に進化させてきた。1992年には、その当時最も厳しいとされた欧州の排出ガス規制〝ボーデン湖規制〟に適合したBF8Bを発売。1998年にはPGM-FIを導入するなど、水を汚さない船外機づくりを続けてきたと述べている。
また2024年2月には、自社最大出力の350馬力V型8気筒エンジンの船外機BF350を発売。新設計のクランクシャフトを採用することで高い静粛性・低振動を実現したと説明している。今後はBF350の技術を水平展開し、2030年までに順次、新モデルの投入を予定していく構え。
その他、船艇の前後左右にカメラを設置し操船者の手元ディスプレーに表示することで、操船時の死角を減らすマルチビューカメラシステムを開発・搭載。ボートユーザーが操船時に最もストレスを感じる離着桟時の操船を支援する着桟支援システム。トレーラーに積み込む際、船艇のカメラでトレーラーを認識。風や潮の流れを考慮し、船艇の進入角度を調整しながら、まっすぐトレーラーに載るよう軌道を補正する機能も用意している。
併せて工場の環境負荷低減では細江船外機工場(静岡県浜松市)で、太陽光発電システムを導入。再生可能エネルギーの活用を開始。今後は、再生可能エネルギーの更なる活用を促進・拡大するために、リチウムイオン蓄電池などの導入も推進していくと説明した。
最後に本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 パワープロダクツ事業統括部 統括部長の鶴薗 圭介(つるぞの けいすけ)氏は、「Hondaの船外機はプロフェッショナルユースからレジャーユースまで幅広いお客様に選ばれ、今年で60周年を迎えました。1964年の船外機市場への参入から60年間、『水上を走るもの、水を汚すべからず』の考えに基づき、独自のエンジン技術を活かした高い耐久性や環境性能を持った船外機を提供してきました。今年発売したフラッグシップモデルBF350にとどまらず、今後も継続的に新機種を投入し、水上での自由な移動の喜びを拡げてまいります」と述べた。