本田技研工業(ホンダ)は12月18日、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」の次世代技術「Honda S+ Shift(ホンダ エスプラスシフト)」を世界初公開した。
Honda S+ Shiftは、2025年に発売予定の「PRELUDE(プレリュード)」を皮切りに順次搭載を予定しているエンジンとモーターを制御しレスポンス性を高める技術を指す。
e:HEVは、高効率の2モーターハイブリッドシステムがもたらす圧倒的な燃費の良さ(環境性能)と、大出力モーターによる上質で爽快な走り(走行性能)を両立する同社独自のハイブリッドシステム。
ホンダによると運転状況や走行環境に応じて、モーター駆動とエンジン直結駆動を最適に使い分けることで、走行状態に応じた緻密な制御によってドライバーが意識して運転しなくても低燃費を実現でき、ドライバーの運転操作にリニアに呼応する意のままの走りが実現できるという。
ちなみに同社では2020年に発売し、e:HEVを採用している「FIT(フィット)」から、車速とエンジンサウンドを連動させる制御「リニアシフトコントロール」を搭載しているが、今回はそのリニアシフトコントロールを進化させ、加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールしつつ、エンジン回転数と同期した迫力のある音をスピーカーから流すことで五感を刺激し、よりドライバーとクルマが「Synchronize(一体化)」、爽快で意のままの鋭い変速を実現させたという。
Honda S+ Shiftの特長は以下の通り
・聴覚と視覚に訴えかける新システム
2つの大出力モーターとアクティブサウンドコントロールシステムを連動させることで、エンジン回転数に応じた迫力あるサウンドでドライバーの高揚感を掻き立てるとともに、鋭いシフトフィーリングを実現。メーターもアクティブサウンドコントロールと連動し、クルマとの一体感を増幅させる。
・リニアなレスポンス性
現行e:HEVモデルに適用するリニアシフトコントロールを進化させ、Honda S+ Shiftでは全車速域において、運転状況や走行環境に応じた変速(アップシフト、ダウンシフト)を実施。
またシフトホールドが作動する状態では、運転状態に合わせた最適なエンジン回転数を維持することで、再加速時におけるエンジン発電電力を最大限駆動力へ活用。これにより、アクセルを踏んだ際のモーター初期応答時間を大幅に短縮させ、ドライバー操作と直結した、リニアなレスポンス性を発揮する。
・エンジンとモーター制御による有段変速フィーリング
メカニカルな変速機構を持たないe:HEVにおいても、Honda S+ Shift作動時にはパドル操作による変速も行い、まるで有段ギアを変速したようなドライブフィールを実現。エンジンと大出力モーターの協調がもたらすリニアな変速レスポンスによって、ドライバーの操作にダイレクトに呼応させて操る喜びの提供を目指す。
なおHonda S+ Shiftの名称には、S600やS2000、TYPE Sなど、ホンダの操る喜びの根源となるスポーツスピリットを表すモデル・技術に冠する「S」に加え、「Synchronize」「Special」「Sensational」など、本機能がもたらす新たな価値を「+(プラス)」し、ヒトとクルマを新たな世界に「Shift(シフト)」させていくという思いが込めたとしている。