本田技研工業とFIA(国際⾃動⾞連盟)フォーミュラ・ワン世界選手権(以下F1)に参戦中のレッドブル・グループ(Red Bull Group)は8月2日、双方の協議に基づきレッドブル・パワートレインズ(Red Bull Powertrains)へのF1パワーユニット(以下、PU)の供給支援を2023年から2025年まで延長する事を発表した。( 坂上 賢治 )
これにより本田技研工業傘下の株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)は、レッドブル・グループ傘下で、F1用パワーユニットを手掛けるレッドブル・パワートレインズ(以下、RBPT)を介して引き続き、F1参戦チームの「オラクル・レッドブル・レーシング(Oracle Red Bull Racing)」と「スクーデリア・アルファタウリ(Scuderia AlphaTauri)」へのF1用PUの供給を続けて行く。
ちなみに本田技研工業のF1参戦活動自体は2021年シーズンで終了。既にF1に関わる開発リソースは、将来のカーボンニュートラル実現に向けた活動に移行済みとなっている。しかし本田技研工業では、今回のF1支援の内容はPUの開発を伴わないため、HRC内のリソースで対応可能だと判断したと言う。
この合意を受けてレッドブル モータースポーツアドバイザー ヘルムート・マルコ氏は、「これからも一緒に戦っていきたいという私たちの要請に対して、ホンダがいい形で応えてくれた腰を本当に嬉しく思っています。
ホンダのPUで2025年シーズンまで戦い続けられる事はとても心強いです。我々はここまで素晴らしいパートナーシップを築いており、昨年はドライバーズ・チャンピオンを獲得することができました。今年も現時点でタイトル争いをリードしていますので、ドライバーとチームのダブルタイトルの獲得を目指して戦いを続けていきます」と述べた。
またレッドブル・パワートレインズCEO 兼 Oracle Red Bull Racingチーム代表のクリスチャン・ホーナー氏は、「レッドブル・グループとホンダのパートナーシップは、ここまで多くの成功を収めてきました。現行のパワーユニットレギュレーションが終了する2025年シーズンまで彼らと一緒に戦えることを、非常にうれしく思っています」と話している。
対して本田技研工業 執行職 コーポレートコミュニケーション統括部長 兼 株HRC代表取締役社長 渡辺康治氏は、「今回、レッドブル・グループから支援延長の要請を受けて2025年シーズンまでRBPTに対してHRCを通じてF1 PUに関する技術的な支援を継続する事になりました。
現行のレギュレーション下では、2025年シーズンまでのPUを開発するためのリソースは不要ですので、現在のHRCの体制でもそのリクエストに応えられると判断しました。
四輪モータースポーツの世界最高峰カテゴリーにおけるレッドブル・グループのチャレンジをサポートするこの機会を通じて、HRCの人と技術を一層磨き上げてまいります」と結んでいる。
なお今後、F1を取り巻くレッドブル・グループに係る話題は、ポルシェなどF1への参戦意志を示している2026年以降へと移って行く。ちなみに目下、FIAは2026年シーズンからの新たなパワーユニット規定(目下、F1はパワーユニットの新たな開発を2025年まで凍結している)を8月初旬に発表するため、これにより新たな流れが現れてくるとみられている。