本田技研工業、トクヤマ、三菱商事の3社は12月25日、副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源を活用するべく、データセンターの脱炭素化を図る共同実証を実施する。
ちなみに、この3社の取り組みは、2023年6月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」事業として採択されたもので、以降、3社で検討を進めてきたが、この度「副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源のデータセンター向け実証」の実施を決定したもの。
実証は、山口県周南市に於いて、トクヤマが食塩電解事業で製造する副生水素を活用する。より具体的には、本田技研工業が燃料電池車からのリユースを想定して開発した定置用燃料電池電源を製造。これを以て三菱商事が運用している分散型データセンターへの電力供給を行う。
同実証では、車載用燃料電池の定置用燃料電池電源へのリユースの可能性を模索。今後普及が見込まれる燃料電池の有効活用を通じて、定置用燃料電池電源の導入や運用に係る経済的負担の軽減、電力の脱炭素化に貢献することを目指す。
また大容量のデータ処理を必要とする生成AIや自動運転などの普及拡大により、今後、データセンターの電力需要の更なる増加が見込まれているため、地域展開に適した分散型データセンターに副生水素と燃料電池を活用することで、データセンターのグリーントランスフォーメーションと、自治体や地元企業のデジタルトランスフォーメーションへの貢献も目指していく。
実証名称:
副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池電源のデータセンター向け実証
実証内容:
– 燃料電池の特性を活かしたデータセンター向け主電源・バックアップ電源としての活用可能性、及び需給調整市場向けの活用可能性の検証
– 燃料電池と水素供給を組み合わせたビジネスモデルの経済性・事業性の検証
実証期間:2023年度~2025年度
事業イメージ
参画企業の概要は以下の通り
本田技研工業株式会社
本社:東京都港区南青山二丁目1番1号
事業内容:輸送用機器(二輪車、四輪車、汎用製品など)の製造、販売
株式会社トクヤマ
本社:山口県周南市御影町1番1号
事業内容:化学製造業。電子先端材料、ライフサイエンス、環境事業、化成品、セメントの5つの事業セグメントでビジネスを展開
三菱商事株式会社
本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
事業内容:天然ガス、総合素材、化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループに産業DX部門、次世代エネルギー部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開