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2023年9月6日【ESG】

日立レール、世界初の環境基準を達成

坂上 賢治

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日立レール(Hitachi Rail)は9月5日(英ロンドン発)、100%電動車両〝HS2〟の設計、製造、運行に関して厳格な二酸化炭素削減基準(PAS 2080)を達成した世界初の鉄道メーカーとなった。このPAS 2080とは、インフラストラクチャの設計と製造に於ける主要な環境基準のひとつとして世界的に認められているもの。( 坂上 賢治 )

 

今回は、英国規格協会(BSI)が、設計・調達・製造・運用中の炭素管理と削減評価を含む日立レールが製造した車両HS2の生涯炭素分析の検証を行い、同規格を授与した。

 

列車のライフサイクル分析では、列車の乗客一人当たりの CO2 排出量は、車や飛行機で同じ移動をする場合よりも90%少ないとされる。このため英国の電力網が脱炭素化するにつれて、これらの排出削減量はさらに削減されることになる。

 

PAS 2080を達成する上で特に強みとなる要素は以下の通り

 

●車体や台車の空力改善、電源や空調システムの効率向上などにより、列車の走行時のエネルギー消費量を削減する。

●電車、車体、台車、車輪セット、内部および外部ケーブルの重量を軽減させる。

●ほとんどのコンポーネントで、リサイクル材料およびリサイクル可能な材料の割合を増やす。

 

同規格の授与を受けた日立鉄道グループのルカ・ダキーラCEOは、「HS2列車は、比類のない厳格な設計プロセスを経て、より空気力学、よりエネルギー効率が高く、より軽く、よりスリムで、より環境に優しい車両と認められました。

 

そもそも今回のPAS 2080への準拠については、HS2プロジェクトの一環のなかで授与されましたもので、それは平素よりの当社の社会環境への献身的なアプローチが認められたものとして大変光栄に思います。

 

当社並びに日立グループはCOP26で、2050年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成するという新たな目標を設定し、2030年までにすべての事業拠点でカーボンニュートラルを達成するという取り組みを強化しました。

 

これらを踏まえ我々は、自社が掲げる〝気候変動のイノベーターになる〟という目的に沿って、これまでの学びを未来の車両プロジェクトにも適用させ、世界各国の事業に於いても環境への貢献に精力的に取り組んでいきます」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。