日立エナジー は1月17日、昨年8月に公表(*1)した、イタリアのモビリティ・産業向け電力機器メーカー「COET (コエット)」(従業員約80名)の買収を、昨年12月28日に完了したと発表した。
なお、コエットは今後も、現在の経営陣のもとで独立して運営され、すべての既存事業を維持すると云う。
日立エナジーでは、脱炭素社会の実現に向けて、持続可能なモビリティやスマートライフ、データセンターなどの分野で幅広いソリューションを提供しているが、中でも、電気バス・商用電気自動車向けEV充電システムの「Grid-eMotion (英語サイト)」は、オーストラリアやカナダ、ドバイ、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、スイス、英国など、世界中の運輸システムへの導入実績がある。
同社では、エネルギーシステム全体の屋台骨かつクリーンエネルギーへの転換促進には、パワーエレクトロニクスおよび電力ソリューションが必要不可欠であり、その世界的需要は引き続き増加すると見込んでいることから、「Grid-eMotion」に充電器を供給するコエットを買収。今後は、EV充電システムなどのグリッドインテグレーション事業を強化していくと云う。
これに際して、日立エナジー グリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員 ニクラス・パーソン氏は、「長年のパートナーであるコエットを日立エナジーファミリーに迎え入れることを嬉しく思います。本買収により、モビリティ・産業向けのパワーグリッド技術と、エネルギーインフラにおけるグローバルリーダーとしての地位が強化されます。また、当社とコエットのお客さまに、グローバルな事業基盤と電力分野における専門知識で、より一層貢献していきます」と述べている。
日立エナジーは、この買収を通じて、「日立エナジー2030」成長戦略(*2)の取り組みを加速。デジタルやパワーエレクトロニクス、サービスを含むグリッドエッジソリューションを拡充し、中核であるパワーグリッド事業を継続的に強化していくと共に、より持続可能で柔軟、安全なエネルギーシステムの実現に貢献していきたいとしている。
*1:(日立エナジー)「Hitachi Energy to acquire COET 」(2023年8月30日リリース /英語サイト)
*2)(日立エナジー)日立エナジー2030計画