日野自動車は先の2023年4月17日の事案、豪州の物流事業者など2社によるビクトリア州上級裁判所(Supreme Court of Victoria)に於ける集団訴訟について、原告団との間の和解契約(約85億円で合意)を2024年12月25日の取締役会で承認したことを明らかにした。
これは2022年に発覚した同社のエンジンの認証不正問題に関連したもので、エンジン不正に関する集団訴訟は同国で2例、海外では米国での集団訴訟も含めると3例となっている。今回の事案に係る要旨は以下・日野自動車による発表の通り(PDF524KB)。
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2022年10月14日に開示した「豪州における当社及び当社豪州子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」のとおり、当社及び当社の子会社であるHino Motor Sales Australia Pty Ltd(以下、当社とあわせて「当社ら」といいます。)は、2022年9月30日に豪州ビクトリア州上級裁判所(Supreme Court ofVictoria)において訴訟を提起され、その後、以下2に記載する相手方(以下「原告団」といいます。)を代表する者から、同様の訴訟を同裁判所に提起されておりましたが、2024年12月25日、原告団との間の和解契約(以下「本件和解」といいます。)について、当社取締役会で承認しましたので、以下のとおりお知らせいたします。
1.集団訴訟の提起から本件和解に至るまでの経緯
当社らは、2022年9月30日、上記「豪州における当社及び当社豪州子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」で公表したとおり、豪州ビクトリア州所在の原告らから集団訴訟(以下「先行訴訟」といいます。)を提起されておりましたが、その後、2023年4月17日、原告団を代表する者(豪州ビクトリア州所在)から、当社車両用エンジンの排気ガス性能基準及び燃費基準の違反に関する詐欺行為等に起因して損害を被ったなどとして、別途集団訴訟(以下「本件訴訟」といいます。)を提起されておりました。
こ
れら 2件の集団訴訟については、豪州ビクトリア州上級裁判所によって手続の整理がなされ、2023年12月15日に、先行訴訟につき手続を永久停止し、本件訴訟のみ手続を進めるとの決定がなされました。
先行訴訟の訴訟代理人は、同決定に対し上訴しましたが、その後2024 年7月に上訴を取り下げるに至り、それ以降、本件訴訟の手続が進められておりました。
当社として、本件訴訟が長期化することによる当社の今後の経営に与える影響等を総合的に考慮し、本件訴訟を全て終結させることといたしました。
2.本件和解の相手方(原告団)
2003年1月1日から 2022年8月22日までの期間に製造された当社のディーゼルエンジンを搭載したオンロード車両を、2023年4月17日までに豪州で購入、リース、又はその他の方法で取得した者
3.本件和解の金額
87 百万豪ドル(約 85 億円)
なお、本件和解は、今後、豪州ビクトリア州上級裁判所に提出され、その承認手続を経て、正式に確定します。
4.今後の見通し
本件和解に伴い、2025 年 3 月期第 3 四半期決算において、上記金額を特別損失として計上いたします。業績に与える影響につきましては、現在精査中であり、見通しが付き次第速やかに開示いたします。
なお、本件和解において、当社らが、原告側の請求や当社らの責任を認めたということはありません。
以上