NEXT MOBILITY

MENU

2023年6月6日【企業・経営】

GM、米ミシガン州フリントの拠点に10億ドル以上を投資

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

米ゼネラル・モーターズ社(GM)は米国・中西部時間の6月5日、米国の製造施設に数百億ドルを投資し(2013年以来)、新たな製造拠点を拡張していくと発表した。

 

具体的にはミシガン州フリントの2つの製造拠点、フリント・アセンブリーとフリント・メタル・センターに10億ドル以上を投資。これらの工場を次期製品の生産に備える計画を明らかにした。生産されるのは次世代の内燃機関 (ICE) 大型トラック。

 

今回の投資により、同社は業界をリードする大型トラック事業を強化する。この発表により、GMの米国製造・部品流通施設への2013年以来の投資約束額は305億ドル以上となった。

 

この投資の背景には2022年、当社のHDピックアップが売上高で前年比38%増を数値を達成。約288,000台のトラックを販売したことにある。加えて2023シボレー シルバラードHDは、自動車ディーラーで最も売れたフルサイズHDピックアップ車であったことも一要因となっている。

 

この投資計画についてグローバルマニュファクチャリングおよびサステナビリティ担当エグゼクティブバイスプレジデントのジェラルド・ジョンソン氏は「我々は業界をリードするフルサイズピックアップ事業を更に強化するため、次世代ICE HDトラックを製造するための2つの工場を準備する。

 

この投資は、当社のトラックを望まれるお客様に対する誠意と、フリント アセンブリおよびフリント メタル センターの献身的な従業員に対するこれまでの努力を反映したものだ。

 

この結果、全米に50以上の組立工場、プレス工場、推進工場、部品工場と部品配送センターを含むGMの米国製造事業が大きく強化される。これはまた今後何年にも亘って顧客へ向けて、魅力的なICE車両を提供し続ける当社の当社の姿勢を表したものとなる」と述べた。

 

これに続きUAWのGM部門副社長のマイク・ブース氏は「UAW会員の懸命な努力のおかげで過去10年間のように業績が好調な時は、会社は従業員への投資を継続すべきだ。

 

基よりGMはUAW 組合員の勤勉な努力が、この会社の成功に貢献していることを認識している。私たちは、UAW-GM 組合員がここ米国で高品質の労働組合製製品を作り続けることを誇りに思う」と語っている。

 

上記に係る発表詳細は以下の通り

—————————————————

– フリントに於ける次世代ICE HDトラックの組立拠点

GMは、次世代ICE HDトラックを組み立てる工場の準備に7億8,800万ドルを投資する。工場の更新には車体工場の建物の拡張、一般的な組立コンベアの拡張、新しい工具や機器が含まれる。

 

– フリント・メタル・センターの新しいプレス金型に投資

GMは、次世代ICE HDトラックの生産をサポートするための新しいプレス金型に2億3,300万ドルを投資する他、プレスの改修や新しい設備を導入する予定。

 

なお2023年のフリント地域事業に係る17億ドル以上の投資には、第6世代スモールブロックV型8気筒エンジンを生産するためのフリントエンジン事業へ向けた5億7,900万ドルと、職場の安全性を向上させるための技術アップグレードのためのデイビソン道路処理センターへの1億350万ドルが含まれている。

—————————————————

 

但しGMの将来のHDトラックに関連する製品の詳細と時期は、現時点では公開されていない。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。