NEXT MOBILITY

MENU

2025年2月7日【事業資源】

独マーレ、未来志向を背景に廊坊国産電機の保有株式を売却

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

独・自動車サプライヤーのマーレ( MAHLE GmbH )は2月7日、自動車やレジャー向け製品向けの電動モーターと発電機等の電気系部品を製造する廊坊国産電機 / Langfang Kokusan Electric( 廊坊国産電機有限公司 / Langfang Kokusan Electric Co., Ltd )の保有株を売却する(廊坊国産電機・全株式の40%に相当)。

 

 

この取引の一環で、廊坊国産電機の既存株主である廊坊金潤科技集団有限公司が売却株式の28.5%を取得し、廊坊国有資産ビジネス有限公司が残りの11.5%を引き継ぐ。マーレ・廊坊金潤科技集団有限公司・廊坊国有資産ビジネス有限公司の3者は1月27日に同譲渡契約を締結。この取引は慣例的な規制当局の承認を条件としており、2025年上半期に同取引を完了する予定。

 

マーレは今から10年前の2015年に廊坊国産電機の全株式の40%を取得。その際の共同株主は、廊坊金潤科技集団有限公司(中国、27.5%)、廊坊国有資産ビジネス有限公司(中国、22.5%)、岡谷鋼機株式会社(日本、10%)となっていた。

 

今回の株式売却にあたりMAHLEグループ経営委員会メンバー兼CFOのマルクス・カパウン氏は、「事業競争が激しい当地環境を俯瞰し、マーレの長期ポートフォリオ管理と戦略的ポジショニングの継続的な見直しの一環として廊坊国産電機の株式を売却することを決定しました。同社株式を2者の中国・共同株主に売却することで、廊坊国産電機は中国国内に於ける事業を精力的に継続させ、自らの事業を推し進めていくことができます」と述べた。

 

 

また中国当地でマーレが取り組む関連事業としては1月15日、当地に設立したMAHLE Holding(China)Co., Ltd.<馬勒投資(中国)有限公司 / 2006年設立>と、武漢経済技術開発区が現地に於ける投資協定を締結。2025年以降を見据え、経済の不確実性、規制の進化、消費者の嗜好が大きく変化し続ける市場を乗り切るべく慎重かつ戦略的なアプローチを維持している。

 

より具体的には、旧来からの熱管理システム、ピストン、バルブ、エアフィルター、オイルフィルター、フューエルフィルターだけではなく、水素発電ユニット、水素内燃エンジンを含む新エネルギー系技術を介した協業を推し進めている。

 

こうした動きは、マーレと中国当地の自動車メーカーとの緊密な協力関係を示すものであり、同社は引き続き中国に於ける次世代自動車を筆頭とする技術領域へ継続的な投資を行っていくと語っている。

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。