伊藤忠商事(LCAマネジメント)、HIF Global傘下のHIF Asia Pacific Pty Ltd(e-fuel事業)、JFEスチール(CO2分離回収・液化)、商船三井(海運輸送)の4社は2月27日、グリーン水素を用いるe-fuel(合成燃料)のサプライチェーン構築で覚書を締結した。
その概要は、(1)日本国内での二酸化炭素の回収、(2)豪州への船舶輸送、(3)豪州でのCO2を原料とする合成燃料の製造および貯蔵、(4)豪州からのe-fuelの輸出を含めたサプライチェーン構築に係る一連の事業化調査を共同実施することで合意したもの。
<e-fuel製造イメージ図>
<e-fuelサプライチェーンイメージ図>
<各社の役割>
企業名:伊藤忠商事
業容:総合商社
役割:LCA(ライフサイクルアセスメント)※経済性の評価など
企業名:HIF
業容:e-fuel事業者
役割:e-fuel製造地域選定、e-fuel製造コスト試算など
企業名:JFEスチール
業容:製鉄会社
役割:CO2分離回収・液化・積み出しコスト試算など
企業名:商船三井
業容:海運会社
役割:CO2・e-fuel輸送コスト試算、船舶輸送の検討など
e-fuelは、再生可能エネルギーから製造される水素とCO2を合成することで生成される液体燃料。原料となるCO2は、電化や水素化等だけでは脱炭素化の達成が困難となる産業などから排出されるCO2を利用する予定。
e-fuelは輸送や貯蔵の際に、船舶やローリー、貯蔵タンクや給油所など既存のインフラを活用できる。またe-fuel自体も既存の機器を改造・交換することなく、自動車、航空機、船舶の燃料として利用が可能であることから、e-fuelの活用は早期の脱炭素施策として期待されている。
伊藤忠商事・HIFAP・JFEスチール・商船三井は、国内外におけるネットワークと豪州に於けるビジネスで培った知見を活かし、脱炭素社会を見据え、JFEスチールでの活用検討を皮切りにe-fuelサプライチェーンの構築を目指す。
JFEグループは「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置付け、その解決に向けた取り組みを強力に推進している。CCUSバリューチェーンの構築に向け、国内外を含めた企業間連携の拡大・強化を図り、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速していく。
<会社概要>
企業名 :HIF Global
本社所:在地 米国テキサス州ヒューストン
設立年 :2022年
代表者 :Cesar Norton, President & CEO
事業概要 :HIFはe-fuelのリーディングカンパニー。低コストの再生可能エネルギーにより生産された水素を使用し、e-fuel製造するプロジェクトを推進。
完全子会社にHIF Latam、HIF USA、HIF Asia Pacific、HIF EMEAを有する。
HIFはチリの施設で既にe-fuelを生産を開始。2024年には米国テキサス州で商業規模のe-fuel施設の建設を開始する予定。今後、豪州タスマニア州でプラント建設を予定。
URL https://hifglobal.com