充電サービス事業のモデル確立を通じてカーボンニュートラルな社会づくりに貢献
デンソーは2025年1月より、自ら開発中のBEV・PHEV向け充電システムを活用した集合住宅向け充電サービスの実証を東急コミュニティーが管理する首都圏のマンションで開始することを明らかにした。
デンソーが上記実証を行う理由は、近年、車両の電動化が急速に進む中で集合住宅や月極駐車場などへの充電機器設置が一向に進まない実態がある。こうした整備を管轄する経済産業省では、来たる2030年までに集合住宅や月極駐車場などに10~20万口の充電機器設置を目指す構えを見せているが、充電サービス・インフラの整備が社会全体に浸透する兆しは見えていない。
そうしたなかでデンソーは、集合住宅への充電機器導入が促進されるための社会的原動力を突き止めることに尽力。その結果、いつ、だれが、どれだけ充電したかなど充電状況を明確に把握することに加え、建物の契約電力の余力を測定し、効率的に充電するシステムを整備・提供することが重要だと考えた。
そこでデンソーは、不動産管理大手の東急コミュニティーと協力。長期にわたって安心して利用できる「集合住宅向け充電サービスのモデル確立」に向けた実証を始動させる。当該実証では、デンソーが個人認証、電力計量、エネルギーマネジメント機能を備えた充電システムを提供し、東急コミュニティーがそのシステムを活用して充電サービスを運営する。
これにより、充電サービスも含めたマンション管理に関する様々なサービスを一元管理する体制を実現し、東急コミュニティーが将来的に集合住宅向け充電サービスを開始するための基盤を整える。また、デンソーは同実証を通じて、集合住宅における電動車の充電環境を整備とエネルギー効率の向上を目指すとしている。
より具体的な実証の概要は以下の通り
東急コミュニティーが管理する首都圏のマンション2棟の平置き駐車場に6kW普通充電器と充電システムを設置し、実証を通じて実用化に向けた改善点を特定し、運用や課金、管理方法などについてシステムの最適化を検証する。
実証期間
2025年1月から約2年間を予定
充電システムの主な機能:
1. 正確な充電量の計測
・個人認証機能により、登録した利用者のみが充電可能
・充電に要した電力および時間を詳細に計測
2. 建物の電力使用状況に応じたエネルギーマネジメント
・建物の電力を計測し、電力を効率的に使う充電を実現
デンソーは、今後も業界の枠を超えたパートナー企業との連携を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
(参考)経済産業省:新築集合住宅における電気自動車等用充電設備の積極的な設置について