「デンソー網走テストセンター」全景
デンソーは「デンソー網走テストセンター(北海道網走市)」が10月29日、環境省の「自然共生サイト」に認定されましたことを明らかにした。授与式は本日札幌市で行われた。
「自然共生サイト」とは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られていると環境省が認定する区域を指す。2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な生態系として保全する行動目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」を達成するため、環境省によって2023年度から取り組みが開始された。
今回「自然共生サイト」に認定された「デンソー網走テストセンター」は、今後OECM(Other Effective area based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)の国際データベースに登録され、「30by30目標」の達成に貢献する。
「デンソー網走テストセンター」は、周辺を森林に囲まれた環境で、高速周回路や地形・気候を生かしたカントリー路、人工氷盤路などを備えており、新製品の実車評価などを行っている。
550haの広大な敷地は半分以上が森林で、そのうちの8割以上はカラマツの人工林となっており、センターの開発時から網走森林組合と共に、広葉樹を主体とした針広混交林化・天然性林化を目指して生物多様性を高める活動を行ってきた。
「デンソー網走テストセンター」敷地内で撮影された希少な動植物
群生するクリンソウ
ベニバナヤマシャクヤク
敷地内には、環境省や北海道のレッドリストに記載されているクリンソウ(植物)、ベニバナヤマシャクヤク(植物)、クマゲラ(鳥類)が観察されており、自然と人との共生が確保された場にもなっている。
デンソーに於いては同テストセンターについて、これらの希少な動植物種の生息が確認されている場所を保護し、この広大な森林の生態系の重要度を地域と共に把握、年4回の定期的なモニタリングを実施することで保全に努めている。
さらに、網走市内 の小学校に対し、環境教育の場となるデンソー緑のプロジェクトを敷地内で実施しており、若い世代に生物多様性の保全活動の重要性を伝える取り組みも行ってきた。
なお、デンソーは「30by30」目標達成のため発足された、企業・自治体・NPOによる有志連合である 「生物多様性のための30by30アライアンス」 に参画。デンソーとデンソー網走テストセンターは、これからも地域と連携しながら生物多様性の持続的な保全に取り組み、自然と共生しながら事業活動を行っていく。
また、若い世代へ生物多様性の重要性を伝える活動を続け、持続可能な社会の実現に貢献していくと話している。
<デンソー網走テストセンター概要>
設立 :2002年
社長 :竹村 秀司
出資比率 :株式会社デンソー 100%
業務内容 :新製品・新システムの実車評価、テストコースの管理 など
社員数 :10人