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2024年2月9日【企業・経営】

ダイハツ、軽自動車10車種の生産・出荷の再開

坂上 賢治

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ダイハツ・ロゴ

 

ダイハツ工業は2月9日、ダイハツ・ミラ イース、ハイゼットなど軽自動車10車種の生産・出荷の再開を決定した。

 

ダイハツ工業では、「当該車種をご愛顧いただき、長らくお待ちいただいております多くのお客様、ならびに仕入先・販売会社など関係する皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

 

当該車種は、1月30日(火)に国土交通省より、立会試験などの結果、道路運送車両法の基準に適合していることが確認されました。

 

これを受け、お客様のお声や、仕入先の準備状況などを総合的に判断し、当該10車種について、2月26日(月)から生産を再開することを決定いたしました。(未出荷車両の出荷は2月19日(月)から再開いたします)

 

引き続き、国民の足ともいえる軽自動車をご提供する企業として、お客様の暮らしに寄り添わせていただき、社会的意義を果たすべく、国土交通省からの指示のもと、認証当局立会試験などの必要な対応を行ってまいります。

 

なお、今後、国土交通省から出荷停止を解除いただいた車種については、仕入先や販売会社と密に連携しながら、準備ができ次第、順次生産・出荷を再開してまいります。安全・品質を最優先とすることを再徹底した上で、お客様に一日でも早くお届けできるよう、努めてまいります」と話している。

 

生産・出荷を再開する10車種は以下の通り

 

ブランド:ダイハツ
車種名
ミラ イース
ハイゼット トラック
ハイゼット カーゴ(デッキバン含む)
アトレー(デッキバン含む)

 

ブランド:トヨタ
車種名
ピクシス エポック
ピクシス トラック
ピクシス バン

 

ブランド:SUBARU
車種名
プレオ プラス
サンバー トラック
サンバー (バン)

 

上記車種の生産工場
ダイハツ九州株式会社 大分(中津)工場
以上

 

—————————–

 

なお併せてダイハツ工業は同日、認証不正問題への対応に係り、二度と不正を起こさないための抜本的な再発防止策を策定し、国土交通省へ報告している。

 

これは、昨年12月20日の第三者委員会による調査結果や、その後の国土交通省による立入検査に基づく本年1月16日付の是正命令などを踏まえ、抜本的な再発防止策を策定した上で、国土交通省へ再発防止の報告書を提出したもの。

 

再発防止報告書では、二度と不正を起こさないための「三つの誓い」を定め、開発・法規認証のプロセスにおける再発防止策に加え、不正の背景となった当社の経営および組織風土の問題に対する抜本的な施策を着実に進めていく旨を提出した。

 

また今後は、各種再発防止策の着実な実行・継続にあたり、弁護士等の外部専門家を含むメンバーにて構成される「三つの誓い」改革推進部(仮称)で、再発防止策の立案・実行の強力なサポート、及びその進捗の監査を行い、更に実施状況の進捗について、四半期ごとに国土交通省へ報告し、その内容を公表するとしている。

 

ダイハツ工業では、「日本の道路事情に即した軽自動車という社会インフラに関わる立場でありながら、それらを世に出すための型式認証のプロセスにおいて多岐にわたる不正を行ってきたことは、自動車メーカーとしての根幹を揺るがす事態であると、大変重く受け止めております。

 

この結果、社会に対する責任を果たせず、多くの皆様に多大なるご迷惑をお掛けしておりますことに弁解の余地はなく、改めて衷心よりお詫び申し上げます。

 

当社として、今回起こした問題を正面から受け止め、深く反省した上で、今一度「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」という当社のビジョンに立ち返り、トヨタ自動車株式会社の支援・協力を受けながら、二度と不正を起こさないよう改革を推し進めます」と話している。

 

2024年1月16日付 是正命令(ダイハツ工業が講ずべき措置)の抜粋は以下の通り

 

(1)会社全体の業務運営体制の再構築
1.経営幹部の法規・認証業務に関する理解の徹底、関連業務運営の責任の明確化
2.上位者に対する意見具申を抑圧するような組織風土の一掃
3.縦方向の報告ラインの機能回復、部署間のセクショナリズムを廃する仕組みの構築

 

(2)車両開発全体の業務管理手法の改善
1.人材や試験車両などのリソースを勘案した開発スケジュールへの抜本的な見直し
2.認証業務に不当なしわ寄せが生じないような業務管理の徹底
3.開発・認証に関連する業務についての社内規程の整備・作成と責任の明確化

 

(3)不正行為を起こし得ない法規・認証関連業務の実施体制の構築
1.法規・認証関連業務への十分な人員その他リソースの確保の徹底
2.法規・認証、コンプライアンス、技術者倫理に関する教育制度の導入
3.認証申請プロセスにおけるチェック体制の構築、法規・認証に対する深度のある監査の導入

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。