ダイハツ工業は1月26日、国土交通省より型式指定の取消の行政処分を受けた。同社は2023年12月20日の第三者委員会の調査結果と今後の対応についての公表以降、国土交通省による立入検査を受けてきたが、同日、判明した不正の中で特に悪質であると判断された下記の3車種について国土交通省より型式指定の取消の行政処分を受けた。
対象はトヨタブランドのタウンエース・トラック(型式 : 5BF-S403U、5BF-S413U)の他、ダイハツブランドのグランマックス、マツダブランドのボンゴ、あわせて3車種となる。
同社では、「お客様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑をお掛けしておりますことを改めて深くお詫びいたします。
国土交通省からの是正命令に続き、今回の型式指定取消しという行政処分を受けたことを真摯に受け止め、認証業務の見直しに留まらず、法令遵守を大前提に、経営、職場風土や文化、適切なモノづくり&コトづくりという3つの観点から改革に取り組み、トヨタの全面的な支援を受けながら、再生に取り組んでまいります。
また速やかに、再発防止策をとりまとめ、国土交通省へ、是正命令受領後1ヶ月以内に報告し、その後の実施状況についても四半期毎に報告してまいります」と話している。
また親会社のトヨタ自動車では、「タウンエース・トラックは、日常の足としてお乗りいただくほか、お客様の使い勝手にあわせて荷台のアレンジ等、架装してお使いいただくなど、唯一無二の車両として多くの方々にご愛顧いただいてまいりました。
今回の型式取消処分により、これまでご愛顧いただいた方々、架装を前提に長くお待ちいただいていた方々をはじめ、多くのお客様、ならびに仕入先・販売店など、関係の皆様に多大なるご心配・ご迷惑をおかけしますこと、深くお詫び申し上げます。
認証試験は、お客様に安心してお乗りいただくために、開発が完了した量産車両・部品での実施を前提としておりますが、当該車両の衝突試験においては、量産部品を使わずにエアバッグを展開する試験を受けておりました。認証試験の前提が守られていなかったことなども踏まえ、今回の型式取消という非常に厳しい処分になったと受け止めております。
今回の型式取消は新規の出荷・販売にのみ影響がある処分であることに加え、ダイハツで技術検証を行い、安全性能の基準を満たしている旨、確認しております。したがって、すでに該当するクルマにお乗りのお客様におかれましては、引き続きご使用いただいて問題ありません。また、車検にも直接の影響はございません。
引き続き、お客様をはじめ、仕入先・販売店など関係の皆様のご不安に、ダイハツとともに誠心誠意対応してまいります。加えて、国土交通省からの是正命令を真摯に受止め、ダイハツの再生・変革に向けて取り組んでまいります」と結んでいる。
処分の内容*なお、取消しの日までに製作された自動車については、型式指定の取消しの効力は及ばないものとされる。