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2023年5月26日【企業・経営】

ダイハツ、国内認証不正に係る車両の社内試験結果を公表

坂上 賢治

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ロッキーHEV&ライズHEVのポール側面衝突試験の社内結果を公表

 

ダイハツ工業は先の5月19日、先の国内の認証不正に係る当外車の〝ダイハツ・ロッキー〟と〝トヨタ・ライズ〟の国内向けハイブリッド車(HEV)のポール側面衝突試験(UN-R135)の認証手続きに関する不正を公表。同日、出荷・販売を停止した。

 

当然、これを受けて国内全域のダイハツ並びにトヨタの販社は、当該車両の商談や納車を取り止めたた訳だが、先般のコロナ禍から始まった車両発注から納車までの期間が伸びていることにより、業販を含む消費者に近い側からは、車両発注自体のキャンセル事案が発生している。従って改めて信頼を得るべくブランドとしての姿勢表明と共に、実際の車両性能に係る丁寧な説明が必要とされていた。

 

そうしたなか同社は、この流れを踏まえてのことか、5月26日の同日、改めて自社内に於いて当該車のポール側面衝突試験を実施。その結果を報告した。

 

この社内試験の実施についてダイハツ工業は「お客様をはじめとするステークホルダーの皆様には、多大なるご心配・ご迷惑をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。

 

現在、ダイハツ・ロッキーHEV及びトヨタ・ライズHEVを使用されているお客様が、安全に対してご不安・ご懸念をお感じになっている状況にあるため、今回、自主的に安全性能を確認するための社内試験を実施致しましたので、結果についてご報告いたします」と社内試験の実施の趣旨について説明した。その概要は以下の通り。

 

1.今回のポール側突(運転者席側)社内試験結果
 (1-1)試験日時・場所
  ・日程: 5月24日(水)
  ・場所: ダイハツ 滋賀テクニカルセンター

 

 (1-2)試験概要
  ・目的: 車両が電柱などに横から衝突した際の安全性を確認する試験
  ・概要: 電柱を模したポールへ車両側面を衝突させ(時速32km)以下確認
   ◎乗員の衝撃(傷害値)が法定基準を満たしていること
   ◎ドアの外れや開放が無いこと
   ◎衝突後の燃料漏れの量が一定値以下であること

 

実施した側面衝突試験のイメージ

 

 (1-3)試験結果
  ・以下の通り法規に定められた安全性に関する基準を満たす結果を得た

 

2.今後のダイハツ工業に於ける対応
まず今回の試験は、社内試験であり、認証当局に確認されたものではない。
出荷・販売の再開に向けては、認証当局立会いでの試験や、ダイハツ・ロッキーHEV、トヨタ・ライズHEVに関するその他の認証項目の確認など、必要な手続きを、当局と相談して進めていく。

 

試験結果について同社では「当社としましては、この度の不正は、経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成が疎かになる中で、正しいクルマづくりを見失い、不正行為を発生させたと考えられます。

 

全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明し、改善・再発防止に取り組み、課題を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社へと変わる決意で、現場の声に耳を傾けながら、全社を挙げて取り組んでまいります」と述べている。

 

加えてトヨタ自動車に於いても「トヨタグループとして、5月12日(金)にグループ各社トップが集まり、「トヨタグループとして誠実にものづくりに向き合う」べくトヨタグループとしての認識を新たに致しました。

 

現在、弊社も含め各社が全社を挙げて、これまでのガバナンスの在り方などにつき、改めて検討し、徹底的に見直しを始めております。

 

本件についても、個人や職場の問題としてではなく、個人や職場が不正を行わざるを得なかった会社全体の問題としてとらえ、ダイハツと共に現場の声に耳を傾けながら、丁寧に対応してまいります」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。