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2022年7月21日【事業資源】

BYD、国内乗用車市場へ参入。最新EV3車種を順次発売

松下次男

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BYD Auto Japan設立、2025年までに100カ所以上のディーラー網構築へ

 

中国BYDの日本法人ビーワイディージャパン(BYDジャパン、劉学亮社長、本社・横浜市)は7月21日、東京都内で記者会見を開き、日本の乗用車市場へ参入すると発表した。2023年1月から最新の電気自動車(EV)を順次、発売する。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

EV投入に当たり、BYDジャパンは乗用車の販売とアフターサービスを提供する100%子会社のBYD Auto Japanを7月4日付で設立。同社社長に東福寺厚樹BYDジャパン執行役員が就任した。

 

 

東福寺社長は日本でのEV販売について「リアルの店舗で発売する」とし、具体的な店舗として2025年までに全国47都道府県に100カ所以上のディーラー網を構築するとした。

 

 

日本ではまずミドルサイズSUV「ATTO 3」を1月から販売するのを皮切りに、2023年半ばにイルカをイメージしたコンパクトカーの[DOLPHIN]、2023年下半期にセダンの「SEAL」を発売する。

 

1995年にバッテリーメーカーとして創業したBYDは、2003年に自動車事業に参入。2009年にはピュアEVの量産を開始し、その後の中国の省エネ・新エネルギー車(NEV)政策と相まって急成長する。

 

 

記者会見にビデオメッセージを寄せた創業者の王伝福氏は「EV化の波はもはや戻せない」と強調し、BYDは今や世界の70か国・地域、400超の都市にEVを提供すると述べた。

 

そのNEVの販売台数も2021年には前年比220%増の約60万4000台を達成。さらに2022年の上半期(1~6月)は前年同期比3倍超の約64万台を販売した。

 

王氏は日本のEV乗用車市場参入に当たり「クリーンかつ、グリーンな社会の実現に、寄与したい」とメッセージを寄せた。

 

 

今やEVを買う、買わないの二択ではなく、これからは「EVをいつ買うか」の時代だ

 

そのBYDの日本法人は2005年に設立。そして2015年に中国の自動車メーカーとして初めて日本にEVバス5台を導入。劉社長は今や日本でBYD製のEVバスが6月時点で「65台走っており、そのシェアは70%以上に達する」と述べた。

 

また、BYDは金型メーカー、オギハラの館林工場を2010年に買収しており、日本流の製造ノウハウも吸収する。

こうした実績を引き下げて、今回、新たにEV乗用車で日本市場に参入することになったものだ。

劉社長は日本でのEV販売について「EVを買う、買わないのではなく、これからはEVをいつ買うかの時代だ」と強調。

 

現状、EVに対しては「車両価格の高さ」「充電設備の不足」「航続距離への不安」「ラインナップの少なさ」というネガティブなユーザー意識が調査結果からわかったが、劉社長はBYDのEVはこれらを払拭できるとの見方を示した。

 

 

具体的には、今年2月に中国で発売開始した「ATTO 3」は航続距離が485キロメートル(WLTC値)に達するとし、価格も「手に届きやすい価格で展開する」と表明した。正式な車両価格は販売直前の11月に公表する予定。

 

 

また、2021年に中国で販売開始した「DOLPHIN」、2022年5月に中国で発表した「SEAL」に続く車種についても、順次、開発状況に合わせて、追加、販売する計画だとした。
 さらに販売開始に先立って、乗用車を一定期間無償で貸し出し、EVライフを体感できる「eモビリティパートナープログラム」などの活動も実施する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。