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2024年10月31日【ESG】

ブリヂストン、第14回グローバルTQM大会を開催

坂上 賢治

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表彰式

 

継続的改善とイノベーションを通じ全ステークホルダーと新たな価値創出

 

ブリヂストンは10月31日、「第14回ブリヂストン グループ・グローバルTQM※1大会」を開催した。この大会は、「最高の品質で社会に貢献」を使命とするブリヂストンに置いて革新的な改善事例をグローバルで共有し、相互に研鑽することを目的として行われた。

 

大会を通じて全社の優れたTQM活動の事例をグローバル規模で共有し、ブリヂストンDNAの一つである「品質へのこだわり」、および1960年代から続く品質経営活動の「ブリヂストン独自のデミング・プラン」を再確認・再浸透させることで、グローバルの様々な職場における継続的改善とイノベーションを促進させていく。

 

また休むことなくTQM活動の強化を継続して行うことで、中期事業計画(2024-2026)に置いて最優先課題として位置付けた経営・業務品質の向上を追求し、「良いビジネス体質を創る」を実現していくとしている。

 

部材を運搬し、製造設備にセットできる新しい装置(特許申請中)

 

2024年は、世界各地域・事業所から提出された2000件を超える改善事例の中から、代表して16件が優秀な取り組みとして発表され、内11件が表彰された。

 

以下では、グランプリ受賞のうち、女性活躍推進を起点としたタイヤ部材の運搬・作業の省力化など、製造現場のDE&I推進を達成した彦根工場(滋賀県彦根市)の改善事例をご紹介している。

 

タイヤ製造現場での女性活躍を起点としたDE&I推進
彦根工場では、乗用車用および小型トラック用のラジアルタイヤを生産しており、その生産を支える女性従業員の採用と活躍を積極的に推進している。そこでは、これまでも様々な課題があったが、以下の活動を通じて、誰もが活躍できる職場環境の整備に取り組んでいきた。

 

1.6つの視点と3つのお願い
まず女性活躍推進に必要なことを6つの「男性従業員の視点」(<1>作業環境への配慮、<2>職場環境への配慮、<3>コミュニケーションへの配慮、<4>個人への配慮、<5>コーチングへの配慮、<6>変化に対する不安への配慮)。

 

加えて3つの「女性従業員のお願い」(<1>タイヤ製造への抵抗を減らす、<2>コミュニケーションの充実、<3>一個人として尊重する)として整理し、様々な取り組みを行ってきた。この結果、女性従業員だけではなく、男性従業員のモチベーションアップにも繋がると共に、彦根工場でのDE&Iが大幅にレベルアップした。

 

2.新しい装置の開発により作業を大幅に省力化
従来から、力が必要な作業などは当たり前のように男性従業員が担当していた。その作業のひとつが、最大800キロにもなるリール状のタイヤ部材の運搬と、そのリールを所定の製造設備にセットする作業となる。

 

これまでは「女性にはできない」ということを当たり前のこととして、男性従業員が部材を転がして運搬し、設備にセットしていた。しかし 「この当たり前を変えていくべきなのでは?」「やれることは自分の力でやりたい」という女性従業員の声を切っ掛けに、女性従業員とその上司が様々なアイデアを出し合った結果、800キロの部材をわずか1キロの負荷で運搬・セットできる装置が開発され、大幅な省力化を実現した。

 

特許申請中のこの装置では、電気ホイールモーターの活用に加えて、部材の支え方・掴み方などが工夫されている。当該装置の導入により、製造設備に部材をセットする時間を大幅に短縮にすることもできた。

 

このような取り組みにより、作業の安全性が向上し、男性・女性関係なく働きやすい職場環境が整備され、生産性の向上による生産コストの最適化にも貢献している。

 

最後にブリヂストンは、「現物現場を大切にした継続的改善とイノベーションによる経営・業務品質の向上を追求することで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※2で掲げる8つの価値(Energy, Ecology, Efficiency, Extension, Economy, Emotion, Ease, Empowerment) を、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。