ブリヂストンの月面探査車用タイヤが装着されたアストロボティック社の「24U CubeRover」
ブリヂストン(BS)は11月1日、
アストロボティック テクノロジー社(Astrobotic Technology, Inc./アストロボティック社)と月面探査車向けタイヤ開発の協業契約を締結した。
上記アストロボティック社は、2007年にカーネギーメロン大学のレッド・ウィテカー教授らが Google Lunar X Prize(グーグル ルナ X プライズ/2007年に行われたGoogle主催の賞金付き宇宙技術競技)へ参加するために設立。
現在はペンシルベニア州ピッツバーグに拠点に置き、6種類の月面探査車開発やNASAからのローバー技術契約37件受託など延べ17年間に亘る月面探査車の開発実績を持つ宇宙ロボット技術のリーディングカンパニーとなっている。
一方のブリヂストンは、2019年から月面探索車のコンセプタイヤ開発に注力してきたが今回、同社はアストロボティック社と協業契約を締結。スペースモビリティの進化を足元から支えるべく共創への一歩を踏み出した。
今回ブリヂストンと共同開発するタイヤを装着する月面探査車「24U CubeRover(トゥエンティーフォー ユー キューブローバー)」は今後、月面に於ける科学調査機器とペイロード(積載物)の移動手段となって、月面探査チームへ電力と通信網を提供するよう設計される。
この「24U CubeRover」は中型サイズで、優れたハンドリング性能やサスペンション、長距離通信機能を兼ね備え、過酷な月面環境でも卓越した性能を発揮するよう鋭意、開発が進められている。
ブリヂストンの月面探査車用タイヤのコンセプトモデル
同車への装着を視野に開発するブリヂストン製タイヤは、金属製スポークを採用し耐久性を確保しながらも柔らかく変形することで、月面にある岩などの障害物を乗り越えて走行することょ可能にする。
この構造を活かして外部からの衝撃を吸収。それが走破性とエネルギー効率の向上に繋がるように仕立てる。結果、月面探査車の駆動系への負担が軽減され、月面探査ミッションを長期間足元から支えることが可能になる見込み。
近い将来、アストロボティック社とブリヂストンは月面への打ち上げ、および宇宙を想定した熱環境下でのタイヤの耐久性を確認する。
ブリヂストンでは、「月面探査車用タイヤ開発を通じて宇宙モビリティの進化を支えることで、企業コミットメント〝Bridgestone E8 Commitment〟で掲げる〝Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと〟にコミットしていきます」と話している。