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2025年1月31日【事業資源】

ブリヂストン、タイヤの水平リサイクル実現で社会実証に着手

坂上 賢治

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使用済タイヤの精密熱分解パイロット実証プラントの外観イメージ

 

ブリヂストンは1月30日、タイヤ水平リサイクルの社会実装に取り組む。具体的には、関工場(岐阜県関市)敷地内に使用済タイヤの「精密熱分解パイロット実証プラント」の建設を決定した。

 

稼働開始は2027年中を想定している。この水平リサイクルの工程は、使用済タイヤを精密熱分解して分解油や再生カーボンブラックを回収するというもの。

 

こうしたタイヤの再生原材料を活かしていくケミカルリサイクル技術の社会実装を目指し、今回、建設するパイロット実証プラントでは水平リサイクルの工程(精密熱分解プロセス)の確立と最適化を視野に実証が行われる。

 

ちなみにこのパイロット実証プラント建設は、2022年2月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/CO₂等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された実証事業「使用済タイヤからの化学品製造技術の開発」の研究開発テーマ(ENEOSとの共同プロジェクト)の一環。

 

再生材のカーボンブラックは、東海カーボンによる実証事業「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」で、新品並みのゴム補強性を持つカーボンブラックの生成を目指した技術開発にも活用される見込み。

 

 

なおブリヂストンでは今実証プロジェクトの着手に際して、「今投資は、中期事業計画(2024-2026)において、今後のサステナブルな成長へ向けた「新たな種まき」と位置付ける探索事業の一環です。

 

当社はサーキュラーエコノミーの実現に向けて、2022年から使用済タイヤのケミカルリサイクルの取り組みを進めています。2023年にはBridgestone Innovation Park(BIP、東京都小平市)に実証機を導入し、使用済タイヤの精密熱分解試験による分解油や再生カーボンブラックを回収する技術開発を進めてきました。

 

回収した分解油をリサイクルオイル化し、合成ゴムの素原料であるブタジエンなどの化学品を製造することで、再生カーボンブラックとともにタイヤ原材料として再利用される資源の循環を目指していきます」と話している。

 

なお同社によると、当該パイロット実証プラントは、BIP(Bridgestone Innovation Park、東京都小平市)に導入した実証機で得た精密熱分解の基盤技術を実装している。

 

そうしたなかで今回は、安定した連続運転に必要なプロセス設計や品質管理などの知見を吸収。分解油や再生カーボンブラック量産を想定したスケールアップ技術の確立を目指す。また技術開発の取り組みと併せて、プラント操業のノウハウ構築やケミカルリサイクル実現を支える人財の育成にも取り組むとしている。

 

パイロット実証プラント施設概要は以下の通り

 

1. 所在地:ブリヂストン関工場
岐阜県関市新迫間20 関工業団地内
2. 着工年月:2025年11月(予定)
3. 稼働開始年月:2027年9月(予定)
4. 最大処理能力:使用済タイヤ 7,500トン/年

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。