世界規模ブレーキシステムの開発を担うブレンボは7月11日(イタリア、ベルガモ発)、自動車と交通エコシステム間で、デジタル通信技術の開発領域に特化した米スタートアップ企業「Spoke Safety社( 本社:コロラド州デンバー )」の株式を取得。同社と共に、先進コネクテッドモビリティソリューションに進出する。
この出資によりブレンボは、デジタルイノベーションに欠かせないソフトウェア並びにクラウドコネクティビティ分野に係る技術力の伸張に積極的に注力していくという。より具体的には、自動車のブレーキシステムを中核に、走行中に於いてコネクテッド環境下にある周辺の、その装置や機器との通信を介して、相互連携を円滑化させていくことを狙う。
ブレンボでCEOを務めるダニエレ・スキラッチ氏は、「Spoke Safety社への出資は、当社ブレーキシステムに関わるデジタルイノベーションを推し進めるための事業施策の一環となるものです。
それは近い将来のビジョンとして、当社のブレーキシステムを搭載した自動車内のコネクテッド機能を活かすだけに留まらず、他車両、インフラ、通信ネットワークを含む交通エコシステム全体との相互連携を実現させ、運転時の快適性や安全性を超えて、クルマと社会との関わり自体を大きく向上させたいと考えています。
そのためにSpoke Safety社とは、既に両社協働の研究プロジェクトがスタートしています。今回、我々がSpoke Safety社と技術協力していくことになった切っ掛けは、当社がシリコンバレーに設けたブレンボ・インスピレーション・ラボの存在がありました。
そこでの活動は、ソフトウェアと人工知能を中心にした技術研究を重ねており、その一方でブレンボの進化に貢献できる革新的なスタートアップ企業探しも行っています。そうしたなかで当社は、先の2020年にコロラド州デンバーで設立されたSpoke Safety社と出逢いました。
元々Spoke Safety社は、運転時の快適性や交通安全の向上を目的に、車両と車両または自転車走行者、更には他の道路利用者や、信号機などを含めたスマートシティインフラとクルマをリアルタイムで繋げるV2X(Vehicle to X)や、C-V2X技術に長けたソリューションの開発を手掛けていたのです。
そのSpoke Safety社が今回、我々のブレンボベンチャーズのポートフォリオに加わりました。ちなみにブレンボベンチャーズというのは、世界の優れた技術系スタートアップ企業への出資を通じて、ブレンボのイノベーションを支え、未来の新しいモビリティソリューション開発を加速させるべく設立したブレンボのベンチャーキャピタル部門です」と自社の技術投資の体制と共に、今回の投資の経緯、また新たなパートナーとの連携に伴う小生指針について期待を込めて語った。