独ロバート・ボッシュGmbHは1月6日、米ラスベガスのデジタル技術見本市「CES2025」でのプレスカンファレンスで、SDV(ソフトウェアディファンドビークル)の可能性を強く推し進めるべく人工知能(AI)技術で未来のモビリティを進化させ、現在は高級車市場が中心となっている高度運転支援機能の広域展開や、生成AIを利用した車両制御技術の開発を進めていく様々な取り組みを提案した。
そんな同社によると、2030年代初めにはソフトウエアと関連サービスの売上高が60億ユーロ超に到達。そのうち約3分の2をモビリティ事業が占めるようになると示唆。その内容は現在の車両制御ソフトウエアに加え、生成AIを使って高度化させた技術が大きく伸びていくことを明らかにした。
具体的には降雪時など交通環境に応じて、車両自身がドライバーの運転を支えるためにサポート役にまわる事例を提示。こうした高度な運転制御技術を高めるべく、AI関連のソフトウエア人材の教育に資本を投入していく。
併せて自動運転機能の拡充にあたっては、自社人材の拡充のみならず、独フォルクスワーゲンの子会社カリアドとの取り組みをより一層、推し進めるなど他社との提携にも注力し、世界規模で激しくなるソフトウエアによる自動車搭載機能の技術競争に打ち勝っていく姿勢を示し、そのために過去5年間で1500件超のAI関連特許を申請を行ったことも明らかにした。
またメガサプライヤーとしての自社の保有資産を厚みをアビール。SDV化に不可欠な技術のひとつとして、バイワイヤータイプの電動ハンドブレーキシステム紹介した。
この電動ブレーキシステムは、ボッシュがハイブリッドシステムを供給するLMDh車両由来の技術で、2018年の事故により脊椎などを損傷したレーシングドライバーのロバート・ウィケンズ選手が車いすのドライバーとしてレースに参加している様子を紹介した。
ウィケンズ選手は、従来型の油圧方式のハンドブレーキシステムが理想的なソリューションではないことを説明。現在、ボッシュの提供により使用している電動ブレーキシステムのインテリジェントな制御機能を挙げ、迅速かつ、安定してブレーキを使用できている今を絶賛した。
その結果、ウィケンズ選手は、よりハイレベルなモータースポーツに参戦できるようになり、2025年はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にデビューすると語り、自身の未来に無限の可能性が広がっていると語った。