BMW Kidney Grille Surround (© Image Credit: BMW Group)
三菱ケミカルグループは12月13日、BMWの象徴とも言えるキドニーグリルに塗装レスで高級感のあるピアノブラックを表現したDURABIO™(デュラビオ™)が採用されたことを明らかにした。
DURABIO™は、着色剤を配合するだけで光沢のある高度な意匠性を実現し、従来必要であった塗装工程を省き、製造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減する。今回BMWでは黒色が採用されたが、DURABIO™は配合顔料を変えれば黒色以外でも展開が可能だ。
DURABIO™は、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られるバイオエンジニアリングプラスチックで、枯渇資源である石油の消費量を削減できる上に、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献できる。
耐衝撃性、耐傷付き性、発色性に優れ、自動車をはじめとしたモビリティの内外装部品、光学・電子デバイス部材、日用雑貨など幅広い分野へ展開が進んでいる。
こうした傾向に三菱ケミカルグループEMEAサステナビリティ責任者のニコール・カンベック氏(Nicole Kambeck)は、「バイオベースの素材は、自動車分野で益々注目を集めており、再生可能原料の入手に限りのある欧州連合(EU)では、温室効果ガス低減のためには柔軟に素材を選択していく必要があります。
化石由来と比較して環境面で優れたバイオベースの素材は、EUが推進する政策〝Fit for 55〟や脱炭素社会の実現に重要な役割を果たすことができます。
DURABIO™は、ドイツの認証機関 DIN CERTCOとオランダの認証機関NENに於いてもバイオベース製品認証を取得しており、今後もDURABIO™の展開を通じたサステナブルな社会の実現に貢献していきます」と話している。