自動運転ソリューションを開発するアプライド・イントゥイション(Applied Intuition, Inc.)が5月25日(カリフォルニア州マウンテンビュー)、トラック車両の自動運転プログラムを手掛けるエンバーク・テクノロジー(Embark Technology, Inc.)を買収。双方で正式な合併契約を締結したと発表した。同締結によりアプライドは、株式価値約7100万ドルの全額現金取引でエンバークを買収する。
同買収を行うアプライド・イントゥイションのソフトウェアソリューションは、自動運転プログラムの運用企業や各国の自動車メーカー上位20社のうち17社が、利用し自動運転システムの開発、テスト、導入を行っているとしている。
一方、2016年に設立されたエンバークは、機械学習手法を活用したハードウェア&プラットフォームを開発する自動運転車の運用企業。
創業以来、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置き、米国最大の荷主や運送業者と提携している。これまでも高速道路で150万マイルを超える自律走行を実施するなど、広範な実環境テストを繰り返してきた。
今後アプライドは、エンバークの〝ツール〟〝データ〟〝ソフトウェア〟資産を統合。テスト車両も撤収させるなどで、今後はアプライドとして製品の拡充に注力させていく意向だ。
アプライドのカサール・ユニス共同創業者兼CEOは「この度、エンバークを買収できたことを大変嬉しく思います。この買収により当社は製品を進化させ、お客様のより具体的で複雑な課題を解決することができる筈です。
我々は、エンバークが自動運転業界で成し遂げた業績に敬意を表しており、今後は彼らの専門知識を活かすことで、我々の世界中のお客様へより良いサービスを提供できるであろうことを楽しみにしています」と述べた。
写真向かって左が、エンバークのアレックス・ロドリゲス共同創業者兼CEO
エンバーク共同創業者兼CEOのアレックス・ロドリゲス氏は「本日、エンバークにとってエキサイティングな新たな船出を迎えることができました。
過去7年間に当社で働いてくれた全従業員と彼らの多大な貢献に感謝します。そして、私たちが築き上げた技術をアプライドがどのように発展させていくのか、楽しみでなりません」と語った。
なお両社の取締役会が満場一致で承認した本契約の条項に基づき、エンバークの株主は1株当たり2.88米ドルを現金で受け取ることになる。加えて同取引は2023年第3四半期に完了する予定であり、エンバークの株主による承認およびその他の慣習的な完了条件を満たす必要がある。取引完了後は、エンバークの株式およびワラントはNASDAQでの取引を停止し非上場会社となる予定だ。