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2023年7月21日【ESG】

アウディ、屋久島の地元行政と脱炭素イベントを実施

坂上 賢治

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アウディジャパンは7月21日、「脱炭素に一番近い島」として知られ、水力発電で島内のほぼ全ての電力を賄う鹿児島県熊毛郡屋久島町へ先の7月10 日・11日の2日間で訪問。サステイナビリティに取り組む地域をe-tronで巡るイベント「Audi Sustainable Future Tour(アウディ・サステナプル・フューチャー・ツァー)」を実施したと発表した。

 

 

このAudi Sustainable Future Tourは、持続可能な社会の実現の重要性について、一人ひとりが考える切っ掛けの場を作る事を目的に、アウディジャパンが訪問する地元行政や社会と共に実施。今回は、岡山県真庭市、岩手県八幡平市、静岡県浜松市に続く4回目の開催となった。

 

アウディジャパンが屋久島空港に到着後、まず向かったのは、標高1000~1300m、面積270.33haの広大な自然休養林である「ヤクスギランド」で、雨の多い屋久島としては珍しく晴れ渡る青空のもと屋久島の持つ雄大な自然に触れた。

 

 

その後、「株式会社屋久島電工 安房川第二発電所」に向かい、普段は公開されていない発電所内の地下発電施設を見学した。

 

インクラインという特殊なエレベーターに乗り、約170m下った地下に屋久島の脱炭素を支える巨大なジェネレーターがあり、尾立ダムから引く水の力を利用してタービンを回転させ、ジェネレーターで電気を生み出すシステムが存在する。

 

 

この株式会社屋久島電工(以下、屋久島電工)で発電している電力は、年間2億6千万kWh、約4分の一程度が屋久島町の全町民約1万2千人に供給され、残りは屋久島電工の工業製品の製造に使用される。その後、発電所を後にし、その日は屋久島の海岸線沿い宮之浦地区にあるTHE HOTEL YAKUSHIMAに滞在した。

 

明けて2日目は、朝から島唯一の公立高校である鹿児島県立屋久島高等学校(屋久島高校)で、生徒約120名と電気自動車と再生可能エネルギーで目指す持続可能な未来について考える出張授業を行った。また授業の最後には、e-tronに実際に触れる時間を設け、生徒たちは運転席や助手席に乗って、電気自動車を体感した。

 

 

ツアーの最後は、屋久島町役場を訪問。産官学で屋久島の未来のサステイナビリティについて話し合う「未来共創ミーティング」を開催した。

 

未来共創ミーティングでは、屋久島町 町長の荒木耕治氏、屋久島観光協会 ガイド部会長 中馬慎一郎氏。屋久島高校からは惠美由紀教頭、斉藤武教諭と4名の生徒が参加。

 

ミーティングの開始にあたってアウディ ジャパン ブランドディレクターのマティアスシェーパース氏が、アウディが電動化に向かう未来のビジョン、そしてなぜ屋久島を訪問したのかを話し、荒木町長からは屋久島町の水力発電の活用状況や島内の電気自動車の普及目標などの説明をした。

 

 

また屋久島高校から参加した惠教頭からは、屋久島高校の普通科に設けている環境コースを選択している生徒が取り組む活動の紹介が行われた。

 

その後、屋久島のサステイナビリティに関するパネルディスカッションも行われ、電気自動車の普及を進める荒木町長や屋久島の環境を熟知する中馬氏、島の将来を担う屋久島高校の生徒、そして、東京からツアーに参加したメディアからも様々な意見が飛び交い、有意義な議論が行われた。

 

 

最後にこの未来共創ミーティングで、アウディジャパンが屋久島町、ファーレン九州と結んだ包括連携協定の取り組みの詳細を発表。

 

その内容は、島内に4か所7基の8kW普通充電器の設置、電気自動車e-tron専門のレンタカー事業の開始、屋久島町役場と屋久島電工に対するe-tronの長期貸与、屋久島の高校生に対する学習機会の提供など、多角的に屋久島と今後連携していくとした。

 

 

最後にアウディは「今後も、日本国内で再生可能エネルギーの活用に於いて、先進的な取り組みをする地域をe-tronで訪問し、地域の行政担当者や事業者、生徒や学生たちとの対話を通じて、持続可能な未来を一緒に考え想いを共有する仲間づくりの旅「Audi Sustainable Future Tour」を継続して参ります」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。